2015年12月21日

12月第4週 ノーモンキー週報

まずもって、
健康にモノを食えるということは、本当にありがたい。
モノを咀嚼してきちんと嚥下出来るというシステムが、
健全に機能していることは素晴らしいことなわけです。

だから味ウンヌンはともかく、食える事は常にありがたく素晴らしい。
肉も野菜も立派に育つまでの苦労や過程を考えると、ありがたい以外思えない。
多少の甘いだしょっぺえだは、どうでもよろしい。黙って食えバカ、が基本です。

っつーわけで食べ物に関してとやかく言うのは好きじゃねーんすが
今回ばかりは触れたい。ベーカーバウンス、ミッドタウン店閉店。

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徹夜続きの納品後、砂を擦り込まれたようになってる目と、
隙あらば座り込もうと弱音を吐く体にムチ打ってでも行く店。
もう無理、マジ面倒、と思っても行って食えば結局、ああ来てよかったと
毎回思える店だったんですが、この25日で閉店。

三軒茶屋に本店はあるんですが、途中で遭難するくらい駅から遠い。
ので、行きやすい六本木に行ってたわけですが、何が素晴らしいかというと
適切な肉や野菜をパンではさんで食う醍醐味ってのは、こういうことなんだ
っつー単純な事実を毎回再確認させてくれるわけです。
そのシンプルにして力強い出来上がりは、もはや食べ物なのにカッコいいくらい。


ソースや小手先の主張に走るバーガー屋は多い。いや料理屋は多い。

小手先ってのはウワッツラってことです。
造形でもそうだけど、ウワッツラしか作ってないものは、本当にヒドイ。
だけど、芯から本質を理解してきちんと作ってあるものを、愛情深く商品化した場合の
味わえる度合いったら、どうすか。スゲーに決まってるでしょ。もう宝物でしょ。

それのバーガー版がここの店。

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ずいぶんいろんな人をこの店に連れて行きましたが、基本的にこの店の良さが
一発で理解されるとは思ってないんで、多くは説明しませんでした。
わかる人がピンとくりゃいいじゃねえか。マクドナルドとの区別がつかない人もいる。
現に俺には犬の顔の区別はついても、美少女フィギュアは区別つかない。
興味のあるなしというのは、そうなります。

以前、マネーの虎という番組で金を出す側の社長が
「まずいカレーなんかないんだよ」と言い切ってたのを見ました。
普通に考えればそういう人に「マジでそう思ってんの?」と真顔で問う方が悪い。
不用意に断じることで論戦に持ち込みたがるようなヒマンチュは放っておくとして
舌バカ社長の意見はともかく、人間には生意気にも「味覚」なんつー
贅沢な感覚が備わってるわけです。

安全性の確認に始まり、習慣や経験、体調にまでも影響され食べ物を判断する味覚。

時にその感覚は、とてつもない情動を伴って記憶に残ることもある。
食えば泣けちゃうような故郷の味だったり、おふくろの味だったり。

というわけで、味の判断には主観が大きく左右するので、押し付けは厳禁。


さらに現代は贅沢が過ぎてるうえに、情報過多。
人は感覚を研ぎ澄まし、磨きをかける前に、自力でものを感じる前に、
まず情報から探ろうとする。自分の下す評価よりも、他人の評価を基準としたがる。

自分の目で季節や空を見ず、まず天気予報を鵜呑みする。メデテーな。だいぶ。

その情報だってまともなものならまだしも、あたかも評価をすることが
アイデンティティだと言わんばかりに「好き」をわめきたて自己アピールする連中の
声のデカさまで情報扱い。違う、それ声のデカさ。
フワフワー、トロケルー。とろけてんのはてめーの脳だろっつー話です。

ま、総じて食い物に関する話はそんなんばっかりです。
偉そうに言ったところで、俺の話もそんなレベルになりかねんわけです。

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しかし、これまた現実問題、料理への評価というのは悲しいかな厳然と存在する。
主観に関わらず。

前も書いたかもですが、調理と調味は違う。料理人に問われるのは、調理技術。
調理は料理の本質です。
技術や情報が要求されるのは調理であり、シンプルなものほど、その力量が
はっきりと際立つ。精妙なコントロールが不可欠。それは決して偶然では成り立たない。

調理方法がわかっていればこそ、素材がどうなるか理解できるので、素材選びも意味を為す。
よい調理方法で素材のポテンシャルを引き出して自在に操ってこそ。
そうしてやっと調味の加減も大いに威力を発揮する。いい塩加減だ、と。

つーわけで、ちゃんとした料理は、種類、価格、分野に関係なく
自然と、素材、調理、調味はキレイなバランスを持ってるもんです。

加えて店舗においては、提供の技術というのがデカイ。

どんなによく出来た料理でも、クソ野郎が横柄に持ってきたら
絶対に美味しくはいただけない。

まことかように、料理を提供するってのは難しい。


そういったことを全て踏まえた上で、俺にとってのベーカーバウンスは救いであり
良心の発揮されてる場所でした。

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チープでジャンクなアメリカ料理に惚れた感覚。
それを日本で編み直そうという努力。
店内で流れている音楽や、装飾をみる限り非常に自分と近しい部分があるとしても
公平に見て、とても真っ当な努力をしている店でした。


ウチの場合はランチ混雑明けの午後3時過ぎくらいを狙って行きます。
そうすっと、グリル板が適度に脂を焦がしてて、味がいいんすよね。
朝イチに行った時は、キレイすぎて物足りなかった。

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最初は口に合わないのかなと思ったケチャップが、まるっきりこちらの
考えている印象とは違う角度で肉に合う!と理解できたときの驚きはなかったっす。
これを狙ってたのか!と。
先入観というのはどれほど人生を損させるのかと思いましたぜ。

最大の衝撃はランプステーキチーズバーガーでしたぜ。期間限定の狂気のバーガーで
パテもあるのにステーキも挟むという暴挙。なのにこれが旨い。

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直球で旨い。直球を超えたかったら変化球を学ぶんじゃない。
剛速球を投げるんだ、とここで俺は教えられました。

と思ったら、ストロベリーチーズクランチチョコスープだか、変化球どころか
ゲーム変わってんじゃねーかという混乱の産物もあった。謎美味くて3回頼んだ。

店員さんも気遣いが上手く、ストレスを感じたことはなかったし
通販も東京から送れる美味しいものとして、重宝しました。

疲れた俺にはここのジャパナイズされたアメリカ文化が心地よく
真っ当な料理に何度も救われました。

ちゃんとした店がどんどん減るのは寂しい。

先週、これが本当に食い納めと思って食っている最中、
どうしてももう一度、食いたい、いや食う!と心に誓いましたぜ。
なんとしてもあと1回食いに行く。

ごちそうさまもありがとうも言いに行く。

そんで、たぶん六本木に足を運ぶのはそれを最後とする。
ポンギ大嫌い。


ちなみにサルは全然進んでないから、今週はノータッチだぜ。
posted by サンダーロードスタイル at 01:24| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする