2020年01月27日

1月最終週 コエガデテコナイ週報

まーーーー

片付かない。DVDが。

120枚収納のケースが現在22個埋まってなお足りず、
180枚ウォレットが9個埋まり、160枚ウォレットが3個マンタン・・・
それには入らぬ未整理および、もう見直さない産業廃棄物コースが
200枚ずつくらいある。
一人暮らし1か月の間になんとか整理できるだろと思った俺が甘かった。

しかもこれは録画したものばっかで購入したものは別に大きく一山ある。
マジデバカジャネーノ。2個しか目ん玉ねーくせにそんな見られんのかよ!
と思うけど見ちゃうんだな。

今年はデジタル造型始めるよか、アンパンマン1300話一気鑑賞の方が
最優先で、今年俺はアンパン漬けになる。なるんだコノヤロウ。


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しかしそれも時間的に言うと1300話×25分なら、540時間。

1日飽きずに6時間ずつ流してもたった90日で終わってしまう。
つまり3か月持たない。仕事が忙しくなると18時間くらい流すから、
そしたらたった1か月よ、1か月。

しかもアンパンは最低レートで録画してるからその時間を稼げるけど、
普通のは1枚90分とすれば、ケースあたりたったの180時間。
最悪10日しか持たない!うそーん。

何度も同じの見たり、TVでごまかしたりはしてもまーーー
貧しいもんです。でもストリーミングにはまだ踏み込まない。
まだ大丈夫、耐えられる・・・あと半年くらいは。

で、それ以外は粛々と仕事する日々。


一度だけ出掛けたのは化石探し。

ウミユリの化石を探そうと思ったけど高いので断念。
可愛い三葉虫の化石で我慢したけど、


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これ、リューターで少しづつ削ったら内側もきれいに復元できるのかな?
挑戦してみたい(コラ)。

にしても
御存じかもですが三葉虫はペルム紀の大量絶滅で消え去ったわけで
この絶滅騒ぎは恐竜の絶滅よりも大規模で、原因は謎。

地球規模の酸素不足でこんな小さな虫まで実に9割近い生物が
死んじゃったという大事件。

その証拠が普通に新宿で売ってて、すぐ手に入るんだもんな。
ちょっとしたオモチャよりも安く買える真実に
軽く感動というかカルチャーショックを受けたわけですが

感動といえばこの写真を見ての話も


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大気のフチが実に綺麗な青というか白。
これは大気の外側から見たからですね。

俺が気になるのは、内側にいる時に見えるこの赤。朝の赤。

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明け方、外に出ると毎回この色に感動するわけです。


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おそらく昔の人も美しいと思ってたから書き残したんでしょうけど
この赤をなんと称したのか知りたくなりまして。


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曙色や


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東雲色じゃない。


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何か明確にこの赤を指示した言葉があると思う。


物理的には太陽光線が厚い大気の層を通過して地上に達する際
波長の長い赤色が最後まで散乱されずに残って空が赤くなる。


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っつーことはわかったんですが、地平というか稜線の赤色を
なんと呼ぶかはいくら調べてもわからず。
色の名前なんて探したことないから、まさしく五里霧中。


情報が何もない時代、人間が物理現象を見てどう感じたかという
ある種原始的な反応ってのは、モノを作る際に非常に参考になる
感覚だと思います。

俺らは知らないうちに文化汚染を受け、知覚をフルに使用する前に
分類された棚に案内されてしまう。

古代の人が見上げた星は「筒」であったとか、そういう感覚に
共感できる余地が残ってる方が、いいモノ作れる気がするわけです。
体内から湧き出るプリミティブな感動に敏感、みたいな。

だから出来る限りアップグレードされてない情報に触れたい。

昔の人はこの赤見て、なんつったのかなー。
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2020年01月20日

1月第4週 キカレテマセンガ週報

ペンタゴンしかないところドッキングでご予約いただいた皆様
ありがとうございました。売り方、宣伝の仕方に関してはもう
完全ノータッチで一切口を差し挟まない立ち位置となりましたが
原型だけは責任もって御期待に応えます。


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つーわけで
先週は書きたくもない話を書かされ、本来ならサクっと続いて
2週で片付く話が書けませんで。
屁みたいな説明業務週報はなかったこととして、一週、脳を戻して
いただきますが、そうは言ってもまたしても読んで損するどーでも話なので、
面白週報を期待してる方はスルーで。



で、

前回デジタル造型における目の問題を持ち出したわけですが、当然その点を
クリアしている腕利きもたくさんいます。武器が多い分デジタルで
出来る人が手掛けた原型はもはや手に負えないレベルです。
素人の俺が見て、そこ気にしねーのかよっつー完全なボンクラもいますが
絶対太刀打ちできない、勝つには同じ兵器を使うしかないと思わせる
圧倒的能力の持ち主も(パっと思いつくだけでも10人は)いる。
そういう人たちはデジタルでターボが掛かっただけでもともと
アナログ原型でもチョー上手い。何使ってももとから上手いわけです。

結局、造形の上手い下手、出来てる出来ないはツールの問題ではなく、
どこまで攻める攻めないをジャッジする判断力、つまり作り手の
「脳」にかかってくるわけで、今回そのへんの話。


映画で例えますが

肉眼で実際に見ている感覚から導き出される判断力が「目」ならば
それは仕事的にはカメラ、撮影の仕事。
画面内の対象の配置、構図を決め、色合いを決め、動きを捉える。

しかし極端な話、カメラの仕事は「そこにあるものを捉える」であり
ゼロからそこに持ってくるわけではない。創造性を問う位置としては2手目。

一手目はとなると、この企画を決め、脚本を起こし、俳優を選んで仕込んで
衣装や小道具をそろえ、一連の流れを決めてカメラの前で撮れるようにするまでの
材料を準備する作業。つまり素材の「吟味」があってこそ撮影は
実力を発揮することが出来、安心してカメラに収められる。

仮に一手目が間違いだったらもうどんだけリカバリーしても無駄。
スタート位置からしてゴール向いてないわけですから。
だからまずなにより重要なのは一手目の方向性決定と素材選び。


造形に限らず何かを表現しようとするならば、何をどう作って
どれくらいの精度で、どうアプローチして、限られた時間の中でその作品で
どうしたいのか判断しなきゃいけない。正しいプロデュースですね。

それにはなにより、情報を吟味して決定するプロデューサーにあたる
「脳」がまず重要ってことです。


実際問題、俺は造形における勝敗の8割はこの「脳」の精度によると思ってます。

自分の中にある膨大な知識や経験の中から、状況に最も適切だと思われる解を
直感によって導き、論理によって肉付けし、脳の中でイメージに固める。

具体的作業なんて実は機械的なもんで、イメージの段階ですでに戦いは終わってる。
手をつける前に勝負は決している。
って言っても実経験のある人なら過言とは思わないでしょう。

そんくらい作業前のイメージを精査していく「脳」は重要。一手目はほんと重要。



そして
表現するすべての人は、対価として共感を欲する。
共感しか求めない。

たとえ破壊や威圧を気取ったとしても、愉快犯的だったとしても
誰かの何かしらの反応や行動が自分の望むものを含んでいなければ
その人は自分の表現に納得できない。無反応が一番ダメージある。
表現はコミュニケーションの手段でしかなく、共感を求める道具です。

でもじゃあ共感ってのは何かというと、共通する感覚であり、同じような経験や
考え方を通過することによって得られた感情的な基盤の上に構築されるものです。

「だよね」も「そう来たか!」も共通する基盤を持ってればこそ起こる感情です。


さて、じゃあ造型的に表現として唸らせるにはどうすればいいのか。
毎回悩むのがここ。
ディティールで攻める、フォルムで攻める。
構図やアイデア、プレイバリューや塗装で攻めるなどいろいろテはある。

しかし自分が根本的に感心する造型やアプローチはなんなのか

「そう来たか!」と思わせられるアプローチはなんなのか
脳内で一手目を決める際、間違えたくない。
何をもってして正解な一手目となるのかと考えるに、
(ようやく本題にたどり着く)



「加点」

だという結論に。いやまだ仮か。
でもまあともかく加点する意志の有無だと思うんですよね。

これはただの足し算で、病的に彫り込んだり生理的に不快とも言える
過剰な繰り返しの加算ではなく、快感のポイントを理解したうえで
ピンポイントでそこに加算して快感を増幅させる判断力の事です。

具体的に現行の原型師を例に出すとカドが立つんで
死んだ人で進めますが


大理石の彫刻と言えば、その極限が布、特にヴェール表現だと思います。
カリカリ削るだけではなく、ある種のモーターツールも使って
細かく削り込んでいくわけですが

ベール彫刻で有名なジュゼッペ・サンマルティーノだと

こう


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すげーす。

でも一応、当然リスペクトありきでの個人的な印象ですが
あー技法に持って行かれちゃったな、と感じてしまうわけです。
ディティールありきすぎてズドンと来ない。

もう布の表現するのが面白くて、やりすぎ。落ち着けジュゼッペ。
気軽な同級生だったら、これさ6割情報減らしてもいいんじゃない?
特に鼻の下2筋はねーわ、お前ここふざけただろとか言っちゃう感じ。


あるいはアントニオ・コラディーニだと

こう


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オッパイ度が高い分、目がくらまされますがやっぱり過剰。
脊髄にコーンと来る快感の手前で、情報量の多さが
ノドにかかる小骨のように軽快な飲み込みの邪魔になる。

じゃあ布表現というくくりではありますが

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニだと

こう


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サジ加減が絶妙な気がします。隙というか余白がありつつ
満たされてる感じがする。踏みしめた足や、食いしばった口元に
きちんと目が行くし、技術発揮の小道具も泣かせる。さすが。

そしてさらに我らがマイキーこと
ミケランジェロ・アントニオーニだと
こう


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いやー、コレだな。

絶妙のサジ加減が素晴らしい。しっくりくるったらない。
凄すぎて友達になれない。

なんだろうこの感覚は。住んでる場所も時代も、食ってるものから
信じているものまで全然違うのに、極東の未来まで届く表現力。

技巧的な落としどころもさることながら
やっぱ判断力が違うという気が「凄く」します。
本能に頼ってない。技術を扱う脳の出来が違うって感じ。

カンバス地のような少し固めの布と、生気を失った皮膚の
質感差によるメリハリ。影の位置、間延びする面の置き方。
実に賢いと感じます。ジュゼッペやアントニーから受ける
技法に引っ張られる感もなく、自然と目に収まる。
「目の喉越し」が最高。なんもひっかからない。バチーンと来る。

強弱硬軟織り交ぜて、見て心地良い落としどころにたどり着く技。
加点すべきポイントを正しくおさえ、的確に判断して表現してる。

実はこの加点時に重要なのが、見て心地良い、という感覚。
たぶん、的確、と感じさせる部分は見て心地良い部分なんでしょう。
自然係数の何かに則った状態で正しく加点して表現を増す。

整合性や真実はともかく、見て心地良い方が最終的に一番説得力が出る。
見て気になる部分があると、結局飲み込みの邪魔になってしまう。

どうやってこの感覚というかサジ加減を磨けばいいのか
わかんないすが、まず第一には冷静さ、が重要なのかな。


他人の造形を見てる時、感心するのは「どう判断したか」が見えた時。

あくまで、基準となるラインを踏襲しつつそこに少しだけ
想像とは異なる加点部分があった時、納得しつつ感心する気が。
逆張りではなく、正しい方向への裏切りがある、みたいな。


気になるのは加点の判断はどう下されてるんだろう、って事ですが
脳内のイメージの段階で出来てるのかもしれないし、作業中に
急に見えてきて膨らませたのかもしれない。

自分の経験から言うと、具体的な加点部分は作業中に見えてくる場合が多い。
(あんだけ脳で決着つくとか言っといて)

もちろん脳内で練りに練ってネリネリで挑みますが、実際に原型が進行して
おや?という発見と、ソツなく作ったものの何か物足りない時
この方が気持ちいいんじゃないか?見ごたえがあるんじゃないかとウソを
盛り込む場合が多い気がする。前回の「目」もそういう事かもです。

そして実はそう「育つ」ことをある程度見据えて余裕をもって白紙の余地を
残したまま構築、造形する場合も最近は多いす。下手に最初に縛ると
泣きを見る場合も多いんで。

すると出来上がってきたものが、正解に導いてくれるみたいな
育つ方向を示してくれるみたいな事が起こる。これがなんともまた気持ちいい。
キャラが一人歩きするように、造形も自然に育ってくれる時がある。


ガンガン作ってる現役原型師と加点時のタイミングや判断について
みんなどうなのよ的話をしたかったわけですが、そんな時間はとれなそうなので
自己完結すべく、書き散らかしました。

俺みたいなどこの学校にも行ってない野良造型のヤカラは
そういう悩みで会話したことがないもんで、時々すごく話したくなるわけです。

特に、タイムスリップグリコのデジタル版を見たときに、この
2回で書いた内容がフラッシュバックしてしばらく考えてたもんで
ようやく書き出してスッキリしたという話。

もういいぜ。
posted by サンダーロードスタイル at 00:01| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月13日

1月第3週 キカレマシタ週報

今日一番質問を受けたのは「サンダーさんCCPと喧嘩してるんですか?」
そしてそのまま「CCPの仕事をしなくなるんですか?」で
サイクロンからも「#CCP肉」に反応しない宣言、ちょっとザワついてましたよ、と。

え?俺の周囲はみんな黙っててなんも言わないし(全ミュートメーン)
面白映像しか上がってこないけど気にしてるヤツなんかいねーだろと思ってたら
けっこうどころか会う人会う人言われて、ちゃんと説明してほしいとまで。
あげくダイナマイトまで、説明しといて、と。



つーわけで説明しますが
現在全開でドッキング作ってるので御承知のように
CCP仕事は進行中だし、この後も全然続きます。

キン肉マンの超人を作るのは本当に楽しいし、光栄。
加えて自分で言うのもなんですが、結構向いてると思うので
フルパワーでこのままやらせていただきたいと思っております。

以上!

と要点だけ言えばこんな感じ。



じゃ、納得しないかもなんで詳細に触れるとそもそも

俺が40周年合わせで尋常じゃない量を作ってたのも皆さま御承知かと。

グレートから始まり、カメハメボンベ、スグルヒストリー、タワーブリッジ
万太郎にミートと、20体以上。を7か月くらいの間にやってたわけです。

でドッキングが始まったらもう集中させてもらうというのは4月から
言ってたこと。複雑な4体を2か月ではキツい。3か月は俺が死んだと思って
CCPを経営しといて欲しいというのをずいぶん前から言ってたわけです。

俺が前線から離れる間、サポートとしておさいさん原型でシルバーマンとか
将軍が入ったのはそういうこと。
(将軍に関してはまたいろいろ説明が必要そうですがそれは後ほど)


正直、原型師のキャパを遙かにオーバーした作業の連続にそろそろ限界って頃に
催事やその他の作業を含め、サイクロンが社外からサポートという話に。

これはフィギュアだけでなくアパレルや他の商品を扱うのに
CCPの中にいると制約が多すぎる。社内での社員的な拘束を極力下げ
フルパワーで販売に注力するには外部から動くということに。

そこでとにかく一回仕切り直し、サンダーは原型に集中できるよう、
サイクロンは販売に集中できるよう、ダイナマイトは企画と生産管理に
という形でそれぞれが一番力を発揮できる体制をとろうって話になったわけです。

ところが、そこまでならまだいいんですが、おかしなことを言い出すのが
ダイナマイト。これはベンチャーの社長にありがちな事ですが
まー思い付きでなんでも言う。
良く言えばいわゆるフラッシュアイデアでもあり、整合性がとれてなくても
朝令暮改だろうとなんだろうとグイグイ行くのが社長の仕事。
だとしても、おかしい思い付きはおかしい。って言ってるのに聞かない。

仕切り直しついでとはいえ
素人宣伝部なんかクソの役にも立たないんだからやめるべきだと言っても
全然理解しない。どころか勝手に気が向いた時だけ書くツイッターや
インスタに、俺とサイクロンが情報を管理して盛り上げようといろいろ
画策してたことを台無しにして好き放題。

しかも上から目線でプロレス仕掛けてきてるんだと思って、そのままだと
性悪にしか見えないからせめて俺が反応してやって救ってやるかと、
キツめの返しをしたら普通にダメージ受けて真面目に抗議してくる。
プロレス出来ないなら俺の名前を出さないで欲しいっつーと
いいです、って言うのでじゃあもう今後は原型に専念して
情報はノータッチでフォローしないから、という話が真相。
(ちなみにちょっと前まで俺は何言われても気にしないと豪語してたけど
今日は「俺は実はメンタル弱い」と言う。なら俺の説教が効くはずなのに
鋼のメンタルでビクともしねーっつーのはどういうことだ!と怒ったら
爆笑してました。コノヤロウ)



まあ元々タグのCCP肉も、もういまや全然関係なくてもかまわず
そのタグつけて投稿する人が増え、俺としては見たくもない画像まで
見させられてることに相当イライラしてたわけです。

責任もって始めたタグだと思ってたけど、なんでこんなクソ画像まで
チェックさせられなきゃなんねーんだ。とウンザリしてるタイミングだったので
いい機会だからついでにチェックやめました、ってのが#CCP肉の真相。


つーわけで、ダイナマイトとの関係は全然相変わらずで
原型作業は普通にこのまま続きます。


ただ無茶なスケジュールは改善して、造型に集中できる環境を
サポートしてくれるということなので、リリースペースは少し遅くなりますが
もう1ステージ上がった造型でアプローチできようになると思います。
その最初の結果がペンタゴンです。ダイナマイト的には良い原型になるのが
一番と言ってたので、そこはありがたい限りで集中が持続できそうです。




将軍3.0に関しては、俺が作ったものはダイナマイトチェックで
OK出つつ、修正も出つつということだったんですが、どうしても
表面処理を特殊にやりたいということで、だったら俺原型をスキャンして
おさいさんに加工してもらうという流れになりました。だいぶ前に。

ドッキング集中の為のサポート、とダイナマイトのこだわり加工と
デジタル原型の可能性の模索という複数の理由があったのが真相。

デジタル原型がメインになってサンダーさんはやめるんですか、とか
デジタル原型をどう思いますかとかいろいろ聞かれましたけど
サポート入れてもらうのは大歓迎だし、デジタルだろうが粘土だろうが
カッコよければもしくは作業しやすければなんだって手段は構わないです。

将軍も粘土原型では表面処理はできないわけだし、デジタルを使うことで
早い上に可能性が生まれるなら使わない方がバカ。

現状で俺は負けない造型をすればいいし、必要なら俺がデジタルを覚えればいい。
今は出力の手間考えると粘土でやった方が早いからいいや、くらい。

つーわけで万事問題なし。

今日はサイクロンもいろいろ聞かれたらしく、まあそれぞれ誤解が生まれても
しょーないタイミングだったし、ダイナマイトに怒ってるのかと言われれば
いつもなにかしら怒ってるわけであながち間違いでもない話だし、と。

とにかくしょうがねえ説明しときますわ、って言ったら
サイクロンはしなくて大丈夫です、今日はゆっくり寝てくださいとの事。
ダイナマイトも別れ際は疲れてるでしょうから食事はまた今度で、と
どっちもねぎらってくれてますので、関係性は大丈夫です。

ただ情報のフォローとか余計なことはもうしませんっつーだけ。
原型に注力します。

のついでで#CCP肉ももうチェックしない。あと全員ミュート。

でもツイッターは大好きですよ。面白映像ばっかだし。
posted by サンダーロードスタイル at 02:38| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月06日

1月第2週 アケマシタ週報

今年も無事始まりましておめでとうございます。
息災ってのはそれだけで尊い。みな息災であれとつくづく思います。
皆さま元気に本年もよろしくお願いいたしますコノヤロウ。


さて、こないだしたいと思ってた造型話。
きっかけはコレでした。


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元になった原型はみなさんご存じ、タイムスリップグリコの
中澤さんの原型で発売は2003年だそうです。
色褪せないにもホドがある。17年前で究極レベル。


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03年当時俺はまだスカルピーをいじり始めたばかりで、
配合や焼き方などプロのテクを中澤さんに教わってたんですが
そりゃもう衝撃という他なく、原型段階でもうオーパーツにしか見えない。

メカもスカルピー。どうやったのか尋ねると返ってくる答えは
ヘラでエッジ出すんだよ、とかムリムリムリってのばかり。
たぶん今でもムリ。

しかもこの時期の海洋堂の製品化レベルも凄まじく
狂気としか思えぬ原型を、見事にマスプロ化しており
分割や納品時にどれほど苦労するのか尋ねても、原型がプロなら
生産もプロ。どんとこいでやってたうえ、あの価格帯で
あの商品群を出せてたんだからもうコメントのしようがない。
すべてが圧倒的。日本が誇る世界一の生産管理ぶり。

・・・だった原型をデジタルで取り込んでサイズ替えして
一発で出力したのが今回のキット。しかも出力量産。


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俺はデジタル関係は完全な門外漢なのでよくわかりませんが
これくらいのサイズの出力は短時間なんですかね?
そもそも仕事の流れでなんとなく出力品を見たことはありますが
マジマジと手に取るのはこれが初めて。実際どんなものなのか
見知らぬ素材を削ったり仕上げたりできるなと、気軽な出力品として
手にとって確認したかったということもあり手に入れたかったわけです。


原型の精密さとしては(一発抜きという条件ありきで)十分なんじゃないの?
というものが実に上代1800円。人件費まるまるカット出来そうなんで
原価はおそらく数百円。しかし1個当たり出力に何時間かかるのか。
決して効率いいとは言えないですが、金型もしくはゴム型をつくらず
出力設備だけで対応できるなら、もろもろ補って余りあるのかもしれません。


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ビデオカメラの普及でコッポラが言った「いずれスタジオを肩に担げる時代が来る」
みたいな出力彩色完成品量産が半分スタンダードになる時代
すなわち「自宅が工場になる」時は遠くないと思います。
金型を持たないメーカーが出てくる時代が来たわけです。


嗜好分野の段階でこれほど細分化してきている現在、
ばかすか大量生産で大網仕掛けるよりも、小回り効いて生産に
対応できる方がリスクも少なく効率的でしょう。だから時代の流れとして
こうした出力品が即商品というのは当然と思います。

そしてスキャン次第、データ化次第で過去の名作がこうして
もう一度日の目を見るというのも素晴らしい。

実際俺も、どうよどうよどうなのよ!とかなりテンション高めで
買ってきてもらいました。


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デジタルで取り込んで縮小する。

縮小の際に、再現技術(出力ピッチ?)が精細であれば
もはやどんなものもとことん小さくできます。

デジタルモデリングそのものはコピー機能が基底にある限り
さらに飛躍的に進化するのは間違いない。
なんの基礎がなくてもいきなり正しく完璧なものが、
サイズ関係なしに具現化できる。

デジタル化はいいことづくめと言っていい。
いやもうほんと素晴らしい。



そしてここからが俺の感想ですが

この商品を見た瞬間、このところ直感的に感じてた懸念が
確信に変わったわけです。

つまり

こりゃ終わったな、と。

1800円の投げ売り商品なので別にどうでもいいっちゃいいんすが
そこに包括されてる可能性は非常に侮りがたいな、と感じました。


まず
ツボを押さえた精緻な造形がいともたやすくさらに縮小される。
あっさり長年の技術を上回れてしまう現実。

後で小さくしますから大きめで作ってくださいと言われても
出来る原型師なら、きちんと構成「は」できる。

構成程度であれ ば です。

理屈での構成は誰でも真似られる。いわゆるAIなどで
情報を収集、参照、解析、総合するディープラーニングの領域で
効果的な構成は構築可能となるでしょう。単純に最大公約数の
「模倣」の領域まではいける。ディティールなんか一番簡単に模倣できる。

でも模型的表現、造型的表現の主たるポイントは
そこではないと俺は思ってたわけです。

安易な縮小性や利便性と引き換えに巨大なものを失う可能性がある。

この商品はそんな終焉を示唆していたわけで、それを感じて
終わったなと思ったわけです。


失うってのは「目」。


模型的表現ってのは「コメツブに念仏を書く」能力、
つまり単純な縮小表現とはちょっと違う。

いや細かい方が正解でしょ、というご意見。ごもっとも。
細かいだけ、それはまたそれだけで価値になる。

しかし原寸大で進行していた作業時に使用された優れた「目」は
「創造性への判断力」という別要素を伴ってるわけで
これは機械的な縮小とちょっと意味合いが違う。

具体的には
ミケランジェロのダビデ像の頭の大きさの誇張や
運慶の仁王像の腹部のぶった切りや
タミヤのスケールモデルのウソに共通する感性と作業。

より詳しく言うなら
「原寸大直視感を伴った判断を基準とする創造的工夫」の有無。

つまり人間の2つの目で実際に見ている感覚から導き出される
立体表現のサジ加減、ってこと。
仮にこの判断力を「目」と表現します。


たとえばこの作品で具体的に説明するならば、キングジョーの腕部。

せめぎ合うディティールの中わずかな表現のチャンスで
少しでもキグルミスーツ感を出そうと手首にディフォルメの効いた
シワが入ってます。


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もしこれを後に縮小するのを前提に大きいサイズで作ってたら
この部分は正しくリアルなシワを彫ってるでしょう。

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でもこの原寸大サイズから見て情報量がキツキツの中、少し大きめのシワが
手首に入ることで精密さを邪魔せず、カッコよさを維持しながら
いい部分でキグルミずっこけ感、しかしそれだよそれ!感を出してる。

それは精緻とは別に非常に可愛くディフォルメできてる要素で
実はこの作品の印象を結構左右している点だと思います。
リアルかつソリッドに攻め切るわけじゃない、ノスタルジックな
思い出の再構成をやろうって企画。愛嬌は不可欠です。

言ってみればここにシワを入れた判断は目がディティールを追う
リズムの創造であり工夫そのもの。ガバ、グニ、ムキ、みたいな。

リアル再現重視で造形するなら肘上あたりに入ってしかるべきかもですが
手首にした判断、素晴らしい。握った手先を見てからの流れで
アピールするには実に適所。その判断に俺はビリビリきます。


おそらく原寸大でアプローチしてたからこその原型師の「目」が
決定したサジ加減と思うわけです。ユーザーが手に取るサイズと
同じサイズを経験している中で働いた平たい直感が
非常に的確に作用しているんじゃないかと。


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クレーンのトラス構造、崩れるタンカーの荷物のバランス。
どれもがこのわずかな空間で絶妙にバランスをとった「空間取り」と
それを精緻に具現化できる冗談レベルで高度な模型技術で出来ている。
これぞまさしく匠の技だったわけですが


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わずかな縮小と、それが生み出された工程から受け取れるものは

ガックシ感。

実はすごく魅力的な表現部分でもあったのに、もう別に頑張って
小さく作んなくても後で小さくできるよっつー縮尺率だけで判断され
作り手の「目」の存在が重要視されずとも成立してしまうという
創造性の終焉を感じちゃった、と。



まあ消えていく技術なんてそれこそ毎時代毎時代ヤマホドあるわけで
そりゃ別に全然いいです。

仕事として食うか食わないかの話であれば、別にデジタル造型して
受注すればいいだけの話。そこに技術の上下も使用素材もクソもない。
結果よければすべてよし。


って話で落ち着けばいいすが、たぶんそういう問題じゃねーんだな。


ハマさんの造型や、真鍋メカ、中澤造型から受けた感動はどちらも
正しく大胆なディフォルメと精緻なリアル両方に通じるものでした。
それは作り手の判断による、的確な約分と、想像力を掻き立たせる
絶妙なフックの配置があったからこそ。

それはディフォルメでありウソでありサジ加減であり作り手の判断であり
完全オリジナルでないものの模造における、不可欠な創造的判断。

言ってみれば写真を縮小するのと、ちばてつやの絵の違い。
味気ない建築模型的縮小はデータ確認するときはいいけど
ノスタルジック感を味わわせるということであればちば的が正しくなる。
その両方があって選択していた状況が、片方が発生しないかも、という
状況を予感させたって話。ついでに手作りの模型的驚きもなくなる。

時代はもう魅力的な「目」と「手先」から生み出されるマジックは


2001611.JPG


もうそんな要求されてねーんだ・・・という切ない実感。

手に取った途端この商品から伝わる波紋は・・・! 
あ、もう死んでる波紋!みたいな。




こないだのスパークにしても今やってるドッキングにしても
原型を作ること自体は基本誰でもできます。
極端な話、フィギュアーツで組み合わせてもそれで満足出来る。
他の原型師が作っても絶対にできます。

ただ

カッコいいもの、納得させられるものが出来るのかというと
そらわかんない。

そのキャラクターのレッテルが貼ってあればとりあえず買う層相手で
手抜きがOKであるなら、メーカーは工夫や努力をしなくなる。

経営ってのはそういう側面があり、金勘定する人間はたいてい
創造性には鈍感ですから平気でそのへんごっちゃにして気づかない。

でもこんなもんでいでしょ、って出来たものは正面からは正しいけど、
こっち側死んでるね、となったり、そもそもぎごちない組み上げにしか
ならないかもしれない。こんなもんでしょ程度で乗り越えられれば
造形なんて簡単なもんですが、乗り越えるのはけっこう厄介。

そこをカッコよく料理できるのが俺が考える原型師の仕事であり
造形の領分。注文を聞きつつ、原作と現実の空間取りのバランスを考え
一番多くの人のハートに突き刺さる形に持ち込むのが役目。

形状を追うだけなら劇中使用3Dデータを出力すれば
それが理論上正しい造形になってしまう。でも多くの実例がそれでは
成立しないと証明してる。要はそこもサジ加減なわけです。
「間違ってないものが正解とは限らない」のが造形の難しいところ。

特に今回、ペンタゴンの羽根の空間取りには製作時間の6割は
割いてます。そんくらいあーでもないこーでもないと本当に
グルグルグルグル知恵と感性を巡らせてた。


その時前述した「原寸大直視感」のような両目で見る感覚と
現実での安定感を俺は非常に重要視してます。

前から言ってますが、単眼の写真に簡単に収まっちゃうような造型はダメだと
思うんですよね。写真は基本、宣伝のためのもんで商売の道具であって
造型そのものとは関係ない。手に取っておお!?ってなるのが理想。
そうなるには立体的なレイヤリングというかリズムや流れ、重なり、
つまり俺の「目」による判断が不可欠だけど、それは写真にはなかなかおさまらない。

もちろん図面通り、写真映えする原型を作るときもありますが、そういう時は必ず
造型としては死んでます。いわゆる「絵合わせ」。たいていこれは失敗する。
ま、金もらえるならいっか、で作ってますが商品が届いて感動しました!
とか言ってもらえる時は、すべて写真無視。絵合わせ越えで作った時です。

たぶん、俺の造型がグルグル見ても面白いのが多いのは
そこが基軸にあるんだと思います。
商売として信頼とリピーターを望むなら、手に取った時の感動こそ重要です。
それは血管だとかシワだとか俺にとってはどうでもいいディティールではなく
空間取りの判断がビシっと決まった時こそ、感動に直結してる場合がほとんど。


もし俺がデジタルモデリングに切り替えたら、メカや武器やいろいろ
できなかったことが出来るぜ!とメリットだけ軽く考えて、デメリットなんかないと
思ってたけど、そもそも造形物との間合いを掴む「目」による判断が
発揮できないってのはやばくない?っつーのがしたかった造型話。


デジタル造型が気軽になって、まさか造型なんかする気もなかった
人が遊びとしてこのツールを選択できるようになって簡単に立体化して
そうした裾野の拡大はものすごいことになってきてます。
もう一度GKブームじゃないけど、個人で立体物を作るブームが
来ておかしくないと思う今、今更実感としてちょっと戦慄しつつ
技術の不要さに寂しく思いつつ、でもこれで俺、ロボも作れるし!と
実際メリットの方が多いのは明らかだから明るく思いつつ
とはいえビミョーにフクザツな心境の年末だったと。

そんだけ騒ぐからにはいよいよなんか始めてんのか?って思いますが
リアル粘土コネが忙しくてそんなヒマねーっつーオチですいません。
まだ俺の腰は動かんね。
posted by サンダーロードスタイル at 00:20| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする