2017年05月22日

5月第4週 サイドショー週報

引き続きそこそこ命を削るだろうなと思ってた先週、
無事削り終わってまたしても死にかけ状態だったのに

翌日、

あろうことか朝6時半起きで出かけてきたのは

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国立歴史民俗博物館。

房州は佐倉まで片道2時間。遠い。ふざけんな。駅から15分歩くし。

でもなんで無理して行ったかというと、

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そして20日には特別上映があったからです。

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しかし結論から言いますと、大阪でやってた
みんぱくこと国立民族学博物館での展示がこれだったのに対し

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れきはくこと国立歴史民俗博物館の展示はなんとこの小さな1室のみ。

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見世物展示を期待して行った人がいれば、間違いなくインチキだ!と
なりかねない、ショボ展示。大阪に行きたかったなー。

しかも見世物文化というより完全に人間ポンプ安田里美を大フィーチャー。

里美の根性を主に見せられるというまさかの大カオス。

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(ブーーッ!じゃないっつーの)

どうやら人間ポンプは3人存在したそうで、その中でもっとも新しく
最後のポンプがこの安田里美氏だそうで。

小さな特集展示の部屋でまず里美VTR(ひさびさにガビガビのV)を
10分見られます。


内容は、
●コインを飲んでから紐を飲んでコインの穴に紐を通して吐き出す。
●生きた金魚を3匹飲んで出し、そのうち1匹は釣り針をつけた
糸を飲み込んでそれで釣って出す。
●鼻に鎖を入れて口から出す。
●碁石を飲み込んで指示された順番で出す。
●ガソリンを飲み込んで火を噴く。
●目に紐付きボタンを入れてバケツを吊り下げて本人が回転する。
などを見せられるわけです。


そもそもなんですが、俺が見たかったのは悲しい見世物の歴史。

親の因果が子に報い、奇怪な鱗が全身に・・・みたいな
緑の手書きの襦袢を着た娘を、カーテンシャっと開けて
シャっと閉めるみたいな、本当は見ちゃいけない
悲しいインチキを期待してたわけです。6尺の大イタチとかね。

ところがそんなのはタコ娘の「台」の展示くらいで

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とにかくなにがなんでもの、人間ポンプ推し。

そして目当ての13時半からの講演と上映
90年の「浅草木馬亭公演」の里美映像を講堂で流すわけですが
260名の定員に対し、ほぼ満席!どっから集まってきたんだ?

そして始まったのは、かなりきれいな映像になったものの
さらにお年を召した安田里美が登場し

いきなり
●鼻でハーモニカを吹く。
そして碁石や鎖を飲み込んだ一連の後
●カミソリの刃を飲み込む。
●鈴を飲み込んで体内で鳴らす。

さらに気合術なるパートに入ると
●紙でバケツを吊り上げる。
また目にボタンを入れバケツを吊り、さらに高速回転。
●腕に針を刺してバケツを吊り、さらに水を入れて回転。
●頭で瓦を割る。
●割ったビール瓶の上に寝て、腹の上の石にハンマー。
最後に、またガソリンで火を噴く。

など、実際は実に90分にもわたるワンマンショーだったらしい。

のを、見せられる俺。

途中、何度か気絶。

エレファントマンみたいなことになるのかと思ってたら
軽快な鼻ハーモニカから始まり、これほど多彩な芸を一人の人間に
詰め込むのかという、期待してた見世物ではなく
見事な芸人の生きざまを見せられた感じでフクザツ。
注文した料理と違うの出てきたけど、チョー美味ぇ!みたいな。

そもそもアルビノとして生まれて、4歳で興行に売られた彼は
最後ほとんど失明状態でありながら舞台で芸を披露し続けたわけです。
記録映像の段階で、ほぼ手探りでやってました。

一歩間違えば、というギリギリの芸は現在の我々が見ても
うおお!マジで?お爺ちゃんヤメてー!と思うようなものから
鼻ハーモニカの抜け具合かつ、軽妙な上手さとか、見せる為に
不快にならない明るさと工夫の素晴らしさに、安田里美最高!という感じに。


こっからマジメな話になりますが、

見世物の歴史は映画の歴史の前身でもあり、障害者の歴史でもあります。
俺はずっと障害者の中で生きてきましたから、光も闇も見てきて
とても他人事ではないという部分があるわけです。

根性の曲がった障害者もいれば、極めて知的な障害者もいる。
根性の曲がった健常者もいれば、極めて愚鈍な健常者もいる。
ここの線引きは、身体上の特徴でしかなく、笑われて平気な人と
そうじゃない人がいるくらいで、身障者も健常者も区別はないわけです。
笑わせたい人は笑ってやるべきだし、そうじゃない人は守られるべきというだけ。
そこを利用しようとするクソどもは断固憎まれてよし。

実際、ウチはバリバラ見て爆笑するけど、アメトークの3流やらせ芸とかは
吐き気がするくらいイヤなんで見ないようにしてます。
どっちが客をナメてるかは一目瞭然で、俺は単純にナメてる野郎は耐えられない。

ただどちらも歴史上は事実であり、どちらも同じ時間に放送されてる。
その内容を正しく記録し、提示することによって後世に判断を任せるのが
学問のとるべきスタンスであって、公平な立ち位置と言えます。

その点で、今回のれきはくの展示は通常展示と同様、実に腰砕けの
偏ったもので、がっかりでした。人の生み出した闇から目を背けてては
光の価値がわからないっつーの。だからこそ、今をより良くしようという
勉強のタネにならないっつーの。お前らがいる安全清潔な部屋から
気遣うケチな気遣いごときでは、全然救えないくらいのハードな傷を
バシバシ負ってそれでも毎日生きてるんだみんな。人間ナメんなよ、マジで。

そういう複雑さの他、テキヤの知識としての見世物興行の立ち位置とか
いろいろ興味深い点があったんですが、全部が全部食い足りなく、残念でした。


しかし!

安田里美は凄かった。正直、これを見世物というカテゴリーに入れるには
間違いなんじゃないかと思うくらい、芸。

上映の後の講演では専門家であり安田里美一代記本の著者でもあり
人間ポンプについて探偵ナイトスクープからの問い合わせも受けたという
本物中の本物の先生が説明してくれるわけですが結局
人間ポンプがどうやってるか、わからないという結論に!

マジデ!?わかんねーの!イマドキ??研究してたんじゃねーの???

碁石を分けて吐くのに那智黒石を水につけて温度差によって体内で識別して
吐き分けるとか、理解不能な話も出てたんですが、とにかく今もって謎。
そういう意味では神秘、そのまんま。

あんまり素晴らしかったので、

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記念にペナント買いました。


あとTシャツ。

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バカだから毎週Tシャツ買ってる気が。
posted by サンダーロードスタイル at 00:03| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする