2017年08月02日

サンシャイン製作記

すっかりこういう製作話を書いてない気がしますが
ようやく六騎士版サンシャインの予約が始まったので、その話。

たしかやっと発売になった六騎士版アシュラマン販売タイミングの
トイフェス合わせでサンシャインも発表したいな、という感じで作業開始。

タッグ編のサンシャインはすでにCCPから発売されてましたので
登場時の六騎士版ということでしたが、実はこの六騎士版サンシャインの
出番というのは一試合しかない。
インパクト十分だったとはいえ、対ジェロニモ戦のみ。

しかも登場したてでまだいろいろ定まってない中での活躍、敗北なので
当時としては完全にジェロニモのキャラクターに食われた役回りという
印象が俺の中にはありました。

その後、タッグ編でアシュラとはぐれ悪魔コンビを組んでからが、
サンシャインの本領発揮、存在感アップというイメージです。

では六騎士として何を表現すればいいのか?

延藤社長からの注文は「本物の砂使ったみたいなリアリティを」というくらいで
お任せ状態。そこで考えてみると条件としては

1:六騎士アシュラと並べて遜色がないこと。
2:既存商品のサンシャインと比べ、進化の度合いを見せること。
3:初立体だけど2.0という位置づけとして魂表現をクリアすること。
4:実物砂を使うだけのディティールにすること。
5:砂地獄の発動感を出すこと。

が、クリアすべきハードルとして出てくるわけです。

で、

すったもんだの2週間でこしらえたのがこちら。

sun201.jpg

sun202.jpg

sun203.jpg

トイフェスでの発表版。

ここでもご説明してましたが、俺の中では80%の完成度。
全体のバランスとって、頭や手はのちほど微調整するとして
表面処理も加えるけど、まずは発表優先という感じ。

でもこの段階で、何をなすべきだったかには到達しています。
迷いという意味ではすでにまったくなし。完成したと言っていい。
骨子さえできれば表面なんかどうとでもなるもんで。

ただ、とにかく1試合の劇中でもバランスが変わるので体形の決定には
手間取りました。シンプルゆえに、少し間違うと大きく影響する。
印象的なコマのバランスを忠実に落としこんでも立体だと印象が違う。
最終的に、OK出た後もいじってたくらいで。

そのバランスがだいたい決まった後はもう、アシュラと並べること考えて、
竜巻地獄と砂地獄を組み合わせる作業が優先。
つまりアシュラマンの足元から竜巻状に巻き上がる砂の製作ですね。

sun204.jpg

合間見ての作業なので珍しく石粉粘土使ってます。


劇中にはこんなシーンはないですし、それどころか六騎士時代には
2人で並び立つことすらない。しかし並べたい場合、どうしても
共通する「何か」が必要です。その結果がこの竜巻台座です。

ただ商品化に関して、ソフビで抜くには形状が厄介という話が
出てまして、まだ検討中です。申し訳ない。


で、トイフェスの後残りの仕上げ作業に入るわけですが、表面処理の方法として
考えてたのは「砂化」じゃ・・・ねえな、でした。
当初は砂化してというのを考えてたんですが、どうも陳腐。
食玩サイズならゴマカシも聞きますが、このサイズでは成立しえない。
サラーって感じがどうしても重くなるし、欠片を混ぜると土砂にしかならない。
そもそも食玩でやってたようなことを、今、すべきか?ってのもあります。

というわけでここから2.0的考察に入ります。


この後、割と情に厚く人格者に近い性格として描かれることとなるサンシャイン。

その包容力の一環としてトイフェスでのディスプレイを考えましたが
この後の勝負では本人に待ってるのは、たかが人間の気合いに負けるという
屈辱的敗北なわけです。正直慢心と言っていい。

なぜ彼は負けたのか?ほぼ無敵の能力を持ちながら?

ジェロニモの気合いはともかくとして、俺は砂化という能力に
頼り過ぎたんじゃないか、と仮定しました。

自在に形状を変えられる不定形変形攻撃は確かに特殊。
スニゲーターとかと違って、ちょっと格上感が漂います。
仲間内でも一目置かれていたに違いない。そんだけ凄い能力です。
慢心というよりは的確な自負であり、自己評価だったのかも。

でもそれすら通用しない凄い敵がいたわけです。
サンシャイン本人も試合中、うすうすそれを感じたに違いない。
砂になるだけじゃ、包み込んでさえ倒せないんじゃこのやり方はダメだ、と。

自分で心臓揉むガッツを見せられ、動揺しないヤツはいないでしょう。

だからこの敗北には納得かつ、反省があったと信じたい。
そしてゆえにタッグ編で彼は破格の進化を遂げてます。
衣装替えではなく、形状替え。これは数あるキン肉マンキャラの中でも
ちょっと特殊な進化です。しかもそれがかなり理に適ってる。
弱点である胸のキー問題を克服し、砂である利点をタッグ戦で
相棒がさらに利用するという一歩進めた攻撃に成長させている。

中でもサンシャインマグナムは、砂状態から瞬時に固形へと
硬度をコントロールして、というなかなか身体操作としては
習熟度の高いもんだと感心する進歩ぶりです。

なんとなく力を抜いて、フットワーク代わりに砂になってた時とは違って
精妙な身体部位操作を習得したんだな、って感じがします。

だから砂状態頼りの攻撃から一歩進むために、地獄のコマとか凱旋門とか
大味ではない形状コントロール、部位操作の習得が彼の場合、
最初の進化だったのではないかっつー想像です。

六騎士段階、つまりジェロニモ戦の中で、敗北を感じつつあるところで
そのヒントに気づいていた可能性は大いにあるぜ、と。

というような楽しい妄想を踏まえた上で
体前面のブロック状態を砂ではなく固化したうえで
脈打つような形状操作をしたのでは?と予測したわけです。
彼は「不定形砂超人」ではなく、ブロック状で構成されている。
あえて言うならブロック状砂超人。
ならばブロックが基本・・・というのが今回の表面処理の根拠です。

かくして、表面をわずかにデコボコさせましたが、問題はそれをやることで
六騎士サンシャインのフォルムを崩してはならない。
この後、彼の進化は表面の密度を上げることにもつながってます。
不定形を選択しなかった、ある種の美意識があの身体形状を決定させたと
考えるのが自然です。となれば、やはりフォルムを崩してまでの
ディティール表現は間違ってることになる。


ここ重要なことですが、「俺的解釈」を勝手に入れることは
望まれない限り絶対にすべきじゃないと考えてます。
あくまで、作者が描きたかったキャラクターの延長上での
描写しえなかった表現という軸から外れてはならんわけです。

面白半分でフォルムを変えるなんざもっての他ですし、
だいたいそんなん、サンシャインファンは望んでないですし
俺もダセーと思う。こけおどしみたいな変化球じゃなく
剛速球の直球で決めたい。あくまでキャラクターにまっすぐ作る。

というわけで、原型状態でギリギリ凹凸を攻めましたが
塗装でそれは軽減されてちょうどよくなります、主張はギリギリ抑えられます
と説明しつつこのディティールを入れさせていただきました。

実際、色乗って、ドンピシャでした!という報告をいただいた時は




フッ



「だろうぜ」

と、思ったぜ。

ただ、原作寄りだけでなくCCPアレンジも欲しいということで
小顔でリアルな頭と、より人間に近い手も追加しました。

前後しますが、本体の具体的な製作の経過を追うと


sun205.JPG

スカルピーで角柱パーツなんかを作って

sun206.JPG

グリッドを彫り調整し


sun207.JPG

ヒケを考慮したアールも調整。

sun208.JPG

で、厳選した砂にて表面処理開始。

sun209.JPG

その後微調整して、仕上げとなる。


色乗っちゃうとこんな感じ。

sun2010.jpg

彩色担当者が非常に勘が良く、グリッドよりもヒビ優先で
彩色しているのがわかるでしょうか。
普通、ブロックにスミ入れちゃうのを、入れないでヒビを
強調させるという判断、ちゃんとしていただいてます。お見事!
こういう原型フォロー、ありがたいですね。


ディティール砂に関しては0.2mm単位で8種用意し
実際には粒子の形状のよさそうな4種くらいを使用してます。


エッジを微妙に残すべく、グリッドを入れてから砂を付着させ、一度
グリッドを彫りなおして、ヒビを造形してます。その後
凸凹表面処理を加え、最後にそこにまた砂をつけてます。
なんだかんだでこれがけっこう面倒だったんで
実は修正と追加作業の方が、本体製作より時間かけてたような気が。


で台座は、これとか見るとわかると思いますが、足に近い方は粒子が大きく
体から離れるにしたがって粒子が4段階で細かくなっていきます。


少し写真の濃淡を調整してみると


sun2011.jpg

台座ながらこれはサンシャインの肉体の一部です。
ただ砂撒いただけっつーバカ造形は俺の担当ではないので
広がる形状も原作に近くしてますし、本体と同じ判断で作ってます。

ポーズも後々動かせること前提になのと
砂台座縛りの足位置なので、若干地味ではありますが
商品化した時に本来のポテンシャルが発揮されると予想してますんで、
俺も楽しみです。

頭部3種は大きさがだいぶ違いますが、劇中でもずいぶんバランスが
変わっているので一番よさそうな感じで、バリエーションを選びました。
グフォフォ笑顔が小顔じゃおかしいし、叫び顔も大きいと動きが出ない。
というわけで、お好きなのを選んでサンシャイン感を探してみてください。

以上、サンシャイン2.0製作記でした。
posted by サンダーロードスタイル at 18:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする