2020年02月24日

2月最終週 ノーホモ週報

東京に出てきて出会った専門店の紅茶は驚異的な美味しさでした。


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人生のつらい時期もあって毎週通ってたんすが、本当に紅茶一杯で
救われてました。五臓六腑に染み渡る美味さで、紅茶というものの
概念をひっくり返すに足る衝撃。茶に道はある!と思える意識革命。

その店は分類的にはフランス流のリーフティー。
葉っぱが広がって味が出るもので、30秒で味が変わってくる。
扱いは繊細ですがしかしその分香り高い。非常にクセのある、しかし
本気の店員達は紅茶大好きでいろんな事を教えてくれました。


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が・・・時の流れは残酷なもので店は残ってても経営者が変わったのか
方針が変わったのか、紅茶に詳しいスタッフはどんどん減り
味のレベルは低下の一途。比例して食べ物の味も落ち、清潔感も落ちた。
質で売ってたその店はいつしかブランド力優先で、しかし中身を失った
つまらぬ店に成り下がってしまい、ゆえにこちらの足も遠のいたわけです。

それから何年もたって、リーフティー至上主義だった俺に強烈な左フックを
叩き込んできたのがこないだの英国展で飲んだイギリス紅茶。

なんとそれはティーバッグで入れたミルクティー。
正直その場では爆発的に美味しいわけではなかったけど帰って調べると、
あの状態はベストではなくまだ探ってみる可能性がある事が判明。

で茶葉を取り寄せその店のスタイル通りに追ってみたら、
久しぶりの紅茶革命が起きたわけです。

基本、ティーバッグの茶葉はブロークンと呼ばれるもので粉々状態で味が
出やすくなってる。でもそれは同時に変化も早く渋みもエグみもすぐ出てしまう。
そのくせ香りはあまり出ない。
だから自分は英国のミルクティーのベストは煮出し紅茶、すなわち
一般的にいうところのロイヤルミルクティーだと思ってたわけです。

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ところがその英国展の情報を知るきっかけとなったある紅茶屋さんと話してみると、
俺が信奉してた香り高い系に反応が鈍い。
我が家ではスゴいな!と思ってた店を軽く一蹴してもはや興味さえない感じ。

その紅茶屋はズバ抜けて焼き菓子が上手で、いわゆる調味ではなく
調理が正しく巧い。俺が感じる限り本物の「何か」がある。

あのケーキをあのレベルで焼きコントロールできる人が評価する紅茶とは
何なのかもうちょい掘り下げてみねばなるまい、と
ティーバッグ英国紅茶を探求し始めて数ヶ月。

だんだんわかってきましたよ英国流。

美味いというより、飲みやすい。
まったく引っかかることなく喉から体に入ってくる飲みやすさ。
その飲みやすさゆえに美味さがわかる、みたいな。

しかしプロとウチではどう違うのか確かめてみようと店で同じお茶を飲んでみると、
プロの紅茶はウチが美味いと思ってたその先にある。
何かが決定的に違う。ウチのは薄っぺらい。

で、その話をしてみるとやはりミルクのチョイスが全然違ってたことが判明。

しかしミルクっつっても、それがここまで違うの?と思って聞いてみると
基本的にスルーしてた単語がバンバン出てきて、おのれの不勉強を思い知りまして。

おお美味い!というのはパスチャライズのノンホモ牛乳でした。


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しかし探してみたらこれがなかなか理想の牛乳にたどり着けない。
店にはこれほど種類があるのに、全然みんな同じ高温殺菌のホモ牛乳ばかり。

つまり!

ツタヤ行ったらライミのクソツマンネーイモダーマンが40本並んでるけど
XYZマーダーズが置いてないっつー状況と言えばおかわりになりましょう。
狂ってるとしか言いようがない。(狂ってません)



はい、ここからが本題。

ミルクにおけるパスチャライズとホモジナイズに問題が移行します。
俺は勉強しました。


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そもそ牛から絞った生乳には厳格な検査が行われます。
乳温、風味、アルコール、比重、酸度、細菌数、乳成分、抗菌性物質検査。
そしてそれら検査に合格した生乳は10℃以下に冷却され、貯乳タンクで
温度維持されながら乳脂肪球が浮上しないよう攪拌。
その後、強力な遠心分離装置や濾過機などを使い、目に見えない
小さなゴミや異物などを分離・除去。

それから均質機で強い圧力をかけ、直径0.1μm〜10μmのバラつきがある
乳脂肪球を直径2μm以下の細かい粒子にする。
これを均質化(ホモジナイズ)と呼ぶ。
均質化された牛乳は脂肪球が浮いてこないので、 均一な味になる。

で、生乳には細菌などが入っているため、殺菌機で加熱してほぼ死滅させます。
この際、日本で行われている殺菌方法の約9割は「超高温殺菌法」。
120〜150℃の高温で、1〜3秒間という短時間で殺菌する方法。
短時間で殺菌できるため、生産効率に優れている反面、
有用な細菌や微生物も死滅させ自然な風味を損ない
タンパク質の熱変性を引き起こすとも言われています。

そこで「超高温殺菌」よりも低温で加熱殺菌するのが「パスチャライゼーション」。
「63℃〜68℃で30分間」、「75℃以上で15分間」、「72℃以上で15秒間」で
加熱する方法で、なるべく生乳の風味を損なわずに有用な菌は残すことができる。
加熱による焦げ臭もなくタンパク質が熱変性しないので消化にもやさしい。

しかしパスチャライズには、鮮度が良くて良質な原料乳が不可欠。
食品衛生法上、製品として販売される牛乳のの生菌数は5万/ml以下。
限られた殺菌方法でそれに持ち込む為には原料乳の鮮度が良く、
生菌数が少ないことが条件。
つまり健康で良質な乳じゃないとパスチャライズドには持ち込めない。
しかも製品は時間が経つと分離が始まり上にクリーム成分が浮いてしまう。


商流ベースでみた場合、生乳の流通は指定生乳生産者団体と全量委託で契約するか、
それ以外の方法をとるかの2択だそうです。

販売委託を受けた指定団体が乳業メーカーとの取引交渉、生乳販売を行い、
安定供給を維持する、と。
市場の論理ですがそれすなわち流通しやすい加工に適した安定した品質の
供給が望まれるというか、契約になるわけです。
もともと酪農家は買いたたかれやすい状況だったらしく、それを守るべく
指定団体が登場したけど安定イコール効率優先というのもまた仕方ない構造。

本来であれば牛乳にも多様性、いろんな牛乳があって然るべきとは思いますが
保存性や安定性含め、高温殺菌のノンホモ天下になるのは悲しいかな現実です。

俺みたいに動かないで食ってばかりのブタ野郎は
少しでも脂肪分を抑えようと普段は低脂肪乳しか選択しない。
こういうブタ事情も、ノンホモ天国に加担してると言えます。


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さて

明確に味において上と判断できる上質な商品でありながら
利便性の前に敗北してしまうという現実。

もはや手間がかかるノンホモは流通上できわめて不利なアイテムであり、
利益追求、効率優先の仕組みの中では淘汰されざるを得ない。

結果、市場には似たような商品が並び、一見選択肢があるようでその実
まったく選択肢などない状況になっている。、

そりゃ商売だから利益追求は当然です。
骨のある農家がいくら気を吐いたところで商売にならなけりゃ続ける方法はない。
理想でメシは食っていけないわけです。

この図式、痛いほどよくわかる。
俺はオリジナルを仕掛けるべきだとわかっていながら、望んでいながら
生活優先、利益目的の商業仕事を続けてきて、どうにかそこそこ
自由と力を得た時、やっぱり採算や流通を考えてしまうようになってました。

やりたい方向性を一度仕掛けてダメだった、違う角度でだまそうとしたけどダメだった。
だからノンホモはあきらめ、ホモジナイズで仕掛けるのが現実的、効率的
とウスボンヤリと考えていたここ数週間。

お前が美味いと感じたものは何よ?

他人の成功例を分析したとき、どう思った?

ノンホモ牛乳を飲みながら、俺は心に誓ったね。

均質化くそくらえ。やっぱり俺には結晶化しかねえ。

ここ数週間の結論として
ガッチガチに結晶化して思いっきり肩が壊れるまで投げつける、
ということになりました。

当然っちゃ当然ですが、一応全方面検討した結果
やっぱ結晶しかねえと確認できた次第です。
もうこんな気持ちですね。


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スッキリしたから紅茶飲んで頑張るぜ。
posted by サンダーロードスタイル at 02:53| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする