2018年06月18日

6月第4週 ナナマンポ週報


一日に場合によっては400歩しか動かないナメクジみたいな足腰の俺が
1日1万4000歩も歩きまくった5日間。なかなかの札幌旅でした。

途中、ツレアイが38度の熱を出し、病院まで連れてったりしつつを
全部を時系列で記すとキリがないので、テーマごとに。

しかし、クソ長いコラム的な文章を好まず、スマホでスイスイのお気軽
ビジュアルしか期待してない脳タリンどもの為に、しょーがねーな
まずはより抜きサッポロフォトアルバムを先に。




千歳空港で、

シュタイフのぬいぐるみと遊ぼうコーナーの行くと


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巨大オランウータン。死亡中。

薄暗い中、子供がこの状態のまま足を引っ張って向こうに放り投げてました。





六花亭札幌本店の前にいた犬、チンタ。


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入ろうとすると姿がドアに映って、俺の足を引き留めようとする名犬。


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まさか創業者との悲しいエピソードが?と思ったら、店の人いわく
ただの犬像を買ってきただけだって。よかったぜ。




北海道博物館のリアルなレプリカ。
努力の産物。楽しそうな仕事だなー。


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と、それ必要?という比較参考物展示。


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サッポロのカラス。

動じない清掃員の人が凄い。


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北大植物園、食虫植物エリアの


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枯れたハエトリソウ。初めて見た。




赤レンガテラスの便所の表示。


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少年よ、大便は左へ行け、みたいな事なんだろうか。
こんなボイーズビーあるか!偉人への敬意どうした!
ただ非常に従い易いのも事実です。



薄いすが、帰りの飛行機から見えた円状の虹。


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よく見えるらしいすが、俺は初めて。
最近飛行機乗って寝ないので、窓外が楽しくてしょうがないす。



と、一般向けフォトアルバムはここまで。

ここからテーマ別に北海道旅行記です。



スイーツ

千歳空港のロイズチョコレートワールドのベーカリーが素晴らしく


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歴史の展示内容も素晴らしかったですし、工場の見え具合も素晴らしかった。
デモールディングという脱型の言い方を初めて知って、
俺も使おう!と思った時のバカ原型師


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チョコ好きは寄って損なく、俺らは帰りもそこでパンを買いました。
ちなみに向かいにあるスタバは、スタバ経験中もっとも優しかったっす。
到着早々、中国人観光客がギャーギャーうるさくうんざりしている中
差し出したスタバカードの種類を見て喜んでくれた店員さんの書いてくれた絵。


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またしても無駄に上がる俺の女子力。


ソフトクリーム関係は随分食いまくりましたが個人的に最強だったのは
北大学食の手前にあるパン屋コップパンのソフトクリーム。
まさしくこれだ!という飾らず騒がず、ど直球のソフトクリーム。2回食いました。

市内で一番だったのは赤レンガテラスのパン屋コロンの山中牛乳ソフト。


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この出来は圧倒的で、今回の旅行ではNo1レベル。口にネットリ残る
クレミア系のマズソフトが1点なら、これは10点。空気含有の食感ばっちり
甘さくっきり、風味しっかり、後味スッキリでまさに理想的。
空港でのNo1が牛乳カステラの店の北海道牛乳ソフトでしたが、惜しいかな
脂肪分か乳化安定剤か少しだけレシチンっぽさが舌に残る。それがなかった
コロンは驚きでしたぜ。いやお見事。パンも攻めてるし、美味かったなー。


六花亭

で、実は滞在中足を運ぶこと5回。普段は通販で済ませているこの御菓子屋さんに、
俺は絶大な信頼を寄せております。理由はただ一つ。マジメに商品開発をしている。
これに尽きます。看板商品のマルセイバターサンドは全然好みじゃないんですが、
他の御菓子のヒット率は相当なもん。そして喫茶や料理が味わえる道内の店舗に行くのを
非常に楽しみにしてましたが、これも想像以上。特に郊外店舗と札幌本店は全然違ってて

ツレアイがこんな状態でひとりホテルで熱で倒れている時でも


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それをほったらかして俺一人で寄ってパフェ食う始末。




読書も当たり中だし、もう至福。


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店長さんやホール、キッチンの人とも話をさせていただきましたが
非常に気持ちのいい職場環境が、ちゃんと味につながってる印象でした。
好きで工夫している感のある料理が味わえるのは、やっぱ楽しいもんで
都内でこの状態に出会える確率の低さたるや、もう酷いもんです。

今回札幌で食ったバーガーやスープカレーは正直、大学生のお遊びレベルで
まったく土俵に乗れてない感じでしたが、お菓子に関してはここ
六花亭を筆頭にかなりそれぞれレベルが高く、中でも大量生産を担いつつ
姿勢が崩れてない、トップランナーの矜持みたいなのを感じられました。
そだねー名称買収問題もちゃんとホメておきました。他県の泥棒どもから
イメージを即守った姿勢、行動力。男だぜ。って、店員女性ばっかでしたが。



北大キャンパス


俺、大学構内ってのはほぼ入ったことありません。芸大くらいかな。展示目当てで。
北大は中に博物館と称して大学内の研究や歴史の展示があるんですがまあなんつーか


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まぶしい。眩しいとしか言いようがない。若い頃に他人の金で研究できて、
教えてくれる先人が近くにいて、資料が豊富にあって、切磋琢磨して
刺激しあえる仲間がいて、と考えるだけでクラクラするくらい眩しい世界がここに。
この幸福感を俺はどう理解すればいいんだ、としばらく混乱するくらい。

もしもう一度人生があって、若い時にこんな大学に行って勉強・・・とキャンパスに
身をおいて真剣に想像した時、いや、やっぱりこれはねーな、とハッキリ悟りました。

最強に体力使えて多感で吸収できる人生のもっとも眩しい時間帯を、実社会で腕一本で
経験することと、籠もって勉強することを天秤にかけたら、やっぱり次も実家を飛び出し、
根拠も保証もなく映画の世界に飛び込むと思うし、飛び込んで本当によかったんだと
実感できました。ずっと隣の芝生は緑に見えてたけど、やっぱ俺はこんな素敵で贅沢な
キャンパス生活は無理な野良が本性。どうも俺には過ぎた世界でした。

でも研究、ほんと楽しそう。


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北大植物園

実は滞在中2回も行ったんですが、非常に居心地のいい場所でしたね。広さや管理もそうですが、エゾリスや謎の小鳥たち、スズメバチからカモにカラスとにぎやかこのうえない。
特にアイヌ関係の植物たちは一気に見られて本当に素晴らしい。原始林もわずかながら
雰囲気を味わえて素晴らしい。帰ってきてから中に博物館本館があったのを知りましたが
2回も行って、そんな建物は見かけてさえいない!本当にあったのか!?
それはともかく問題は北方民族資料館、ここにアイヌ民具の展示や映像展示があるんですが・・・


アイヌ関係


今回はアイヌ関係の資料に触れたいという目的もありました。まあ一般的なアイヌ関係というと、いわゆる迫害を受けた少数民族という図式でインディアンと同じく悲劇的な歴史を持つ人々って感じなわけです。まあそれはそれとして、そういう事情を利用して金儲けをたくらむクソ野郎も多いのが世の常なわけで、ある種の助成金や寄付や権利を手に入れる為なら、学術的な裏付けがなくてもわめき散らそうというヤカラが多くたかってるわけです。
実際、いわゆるアイヌ民族が受けた仕打ちは不当かつヒドいもんで、常に新政府、松前藩を憎む俺なんか一緒になって蜂起したいとこですが、きちんと理解調査もせずに
ファンタジー人種で神とトモダチ的な箱に押し込むのも間違ってるわけです。

俺にとって重要な年代は擦文どころかオホーツク文化が流入する以前。まだイヨマンテで熊を捧げる前で、道内にいなかったイノシシを捧げてた本州と交流しつも稲作を拒否した時代での文化形成。そこにこそアイヌの本質があると睨んでます。

市内で一応専門家の指導を受けたアイヌ料理膳も食ったりしたんですが、オハウ、つまり椀ものが出汁もなく調味も塩だけだったのに対し、いただくものすべてが神だから手を加えることがなかった、と言ってたことが印象的。そういう曲がった発想というかファンタジーがますます考古学を遠くするんですが、ファンタジー込みで現代を生き抜き継承されるいびつな現実にも納得。しかし人類はネアンデルタール以前から調味してますし、加工技術の発展など考えても美味しく食う工夫はずっとやってましたが、まずは宗教と同じく信じやすいパッケージングありきなのはいつの世も同じか、と。

歴史は清濁どうあれ正しく理解される必要があるのにアイヌにたかる蠅どもは事実をネジ曲げ都合のいいように仕上げている。ようにしか思えない部分が調べるとたくさんでてくる。

そんな疑問が氷解する映像が北大植物園の小さな北方民族資料館にありました。
だよな、おかしいと思ったぜ。というこちらの疑問への裏付けと思える映像が
確認できたのは貴重でした。いつか詳しい人とじっくり腰を据えて意見交換してみたいす。




お化け屋敷


まず驚いたのはお化け屋敷が向かい合って2カ所あったこと。俺が期待してたのは・・・
呼び込みから判断するにこちらだなと思ったお化け屋敷に入る。


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基本的によほどの場合でない限り、仕掛けで驚かせが成立することはないわけで、
怖がらせるには演者のタイミングとセンスによるところが大きい。あんまグイグイ
くるとお化けじゃなく人としてカチンと来ちゃうし。という点ではここ、実に巧かったと
思います。出過ぎずしかしきっちり脅かしてもらい、最後出口も案内してくれました。

素晴らしいのは何度かルート的に暗幕エリアの外に出ることとなり入り口横を
通らねばならないんですが、その時入り口のモギリのおばさんの後ろに座ってる人が
タイミングをみて紐を操るんですね。そうすると外に出て気を抜きかけた人めがけて
オバケがビローンと襲ってくる。すぐ紐で吊ってたとわかるんで誰だ!と
紐をたどって見ると3m向こうに知らんぷりしてトボけた顔のおばさんが


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紐の端を掴んでいるのが見えるわけです。このやられた!という微笑ましさと、
トボケっぷりのプロフェッショナル感が素晴らしかったです。
ここは東京の人達の出店だそうで関東でも見られるみたいですね。


見せ物小屋

ゴキブリコンビナートという団体らしいんすが地獄からの使者スパイダーマンの敵の名を冠する資格など全然なく、大学生の悪ふざけレベル。演目は樺太原人、茨城のレディース総長、気の狂ったOL、ヤモリ女を順繰りに見せますが基本構造は全部原始人ネタ。いつでも入っていつでも出られるスタイル。因果や不幸な味付けはなく、完全にただのあらびき団。乾いた失笑くらいはできます。
驚いたのは最後にモギリに座ってた老人が安田里美そっくりだったこと。
縁のある人だったんだろうかそれが一番気になりました。


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オートバイサーカス


昭和のサーカスでは球状のケージの中で2〜3台のバイクが縦横に走り回るというのが定番。
これはグローブオブデスと呼ばれる演目。


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しかしこの札幌中心に興行して、由緒あるキグレサーカスの流れを汲み、日本唯一の
ワールドオートバイサーカスが行うのは円筒状、つまり蓋のない巨大な樽の中の壁を
バイクが走るというもの。

名称はウォールオブデス


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しかも1台で。  俺はこれ見たことがなかったです。


入場料を払って樽の上に登って
その中を見下ろす限り、正直、成立するのかなというのが印象でしたが、
いやもうこれが一番声が出た。

ただ走り回るだけでなく、おヒネり、つまり樽の上のフチにいる客の差し出した紙幣を
走りながら受け取る。そうは言っても客目線からすると、差し出した手の目の前に
バリバリふかして勢いついた単車が迫るわけですから怖いったらない。


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で、2人目がびびって落としてヒラヒラと舞う紙幣を、ライダーはそのまま
次の回転で見事拾ったもんだからもうみんな「うおー!」ってなりまして。
ライダーもやったぜ!って満面の笑顔で。いやもうスゲー盛り上がって。

もうそこからは樽周辺は一体化。次々と差し出すおヒネりを受け取り、目隠ししたり、
湘爆ばりにシートにあぐらをかいて、横座りしたりするけど、ほぼ直角のまま回転し続るライダー。フチぎりぎりまで迫るバイクのタイヤは迫力満点。


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宮大工が作ったというヒバ製の樽は単車の重量を受けて観客側に膨らむ感じで
その重量感もまた迫力。もし俺が多感な時期にこのショーを見たら、この仕事に
つきたい!と思うくらいカッコいいオヤジのライディングぶり。個人的には
ライダーであるフジタさんがちょっと狂い咲きサンダーロードの仁さんに
似てんのが、またグっと。ヤマハの単車を駆り、途中日の丸をバーっと出して来た時はもうウワーっと。すげー日本の祭りここにあり、って感じでした。

終わった後、樽の中の壁を若手がチェックしているんですが、先輩のショーを
どんな気持ちで見てたんだろうなと。消えゆくこうした祭りの出し物の中、
なんか少し希望の光が見えた気がして、これまたグっときました。
札幌で育ったツレアイは昔見たことあると言ってましたが、今回、特に
期待してなかったけど見られてよかったNo1で本当に胸に響くいい時間でした。


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屋台

屋台というかテキヤみたいな浮き草稼業は若い頃、家にいたくないような半グレのニーチャンネーチャンにはちょうどいいわけです。顔見るとみんなそんな感じでしょ。
でもそんなノリだけで地方回りする過酷な稼業はだんだんと若さや勢いだけじゃやっていけなくなる。商売としてそこそこ本気でやらないと生活も当然厳しい。それはこの業界だけのことじゃないですが、勢いだけだった仲間は年を経るに従い、次々と淘汰されて本気のヤツしか残らなくなってくる。テキヤでそこそこ年いってるのは足抜け
タイミングを失った死んだ目のヤツか、テキヤ大好き!という生きた目のヤツのどっちかだと思います。そんな中で生きた目をしてる人の面構えの良さったらない。
しぶといというか、手強さというか、年月を生き抜いた風貌が実に魅力的。
例えば原型師という職業で、俺は年を重ねてあんな風に味わい深い面構えになれるんだろうか、とか考えさせられながら、飴屋のおじさんに写真撮っていいか聞いて、撮ったのがこれ。


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買ったのがこれ。


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型から俺が全部作ってるんだ、って自慢してました。





まとめ

他にいろいろ行った場所もあったんすが、まあ概ねこんな感じでしたかね。
ツレアイのご両親と一緒の機会も多く、接待場所としてとにかく展望台で
大倉山、藻岩山、テレビ塔と、なんでこんなに登るんだっつーくらい
展望台に登って遠くを眺めるわけですが、その度にこの親子は
「あれが100年記念塔だ!」といちいち俺に教えてくるわけです。
いやもうわかった。そんな塔知らないし、興味もない、と最初は
思ったわけですが、あんまり言い続けるのでとうとう最後に近くまで行って
見てきました。


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間近で見るとそれなりに迫力。デザインはたしかにカッコいい。


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旅行日程中3日間雨で、1日木枯らしの吹き荒れる曇り。
ようやく最終日帰る寸前晴れた空にそびえ立つ100年記念塔は
えー・・・雄々しかった。ような気がします。



さあもう今月は一歩も出歩かず、仕事するぞ!!
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2018年06月11日

6月第3週 フルハシバリ週報


男なんて一歩外にでたら、鉄砲玉でいいのよ。
すぐ電話したら捕まるとか居場所がわかってるとか
首に縄がついているような男なんか、こっちから願い下げだわ。


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と渚まゆみに言われるのであれば、納得でありますが
言ってるのは残念ながら、俺であります。


基本的に俺はたいへんレスポンスの良い男ではありますが
その理由は、連絡云々なんつークソみたいな事は即片づけ
終わらすに限るってだけで、連絡は来ないに越したことはないし
すぐ連絡がついて捕まる状態ってのは鬱陶しいなと思うタチ。

とはいえ現代はいろいろありますから連絡つかねーとしょーがねー時も
あります。が、基本的には理屈はどうあれ、首輪うるっせーな、です。
あのバカ鉄砲玉だから出たらもう連絡つかねーやって扱いで十分。

だいたい一歩外出たら荒野だぜ。新宿だろうが銀座だろうが関係ない。
周囲は全部敵だし、そこで全部自分で判断して自力で生き抜くのが理想。
地下鉄が止まって真っ暗になっても、地震が来ても、狂人が迫っても
自力でなんとかする心構えだけはしとかなきゃいけないし、する。
ガソリン、奪う。ミュータント化、する。水着女、抱く。弱者、助ける。
連絡、気にしない。そういうこと。


というわけで、今週の俺は鉄砲玉、ネット環境とは程遠い一週間を
過ごしてくる計画となっております。


行く先は


蝦夷地


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何をしに行くかというと、




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札幌まつりで設営されるお化け屋敷。これを見に行く。


なに?アタマがおかしい?

バカヤロウ、ネズミ王国と何が違うんだ。ヒャクパー同じだ。

つーわけで札幌まつりの中島公園がメインディッシュ。
これを自力で運営してずっとやってるんですからね。
カッコいいとしか言いようがない。


祭りってのはいろんな解釈があり、基本的に神事って事になってますが
俺に言わせりゃ笑わせんなって話です。相撲がいい例ですが、とってつけたような
後付け解釈で、一部の層や集団に益をもたらすという図式がほとんど。

別に騒いで金儲けしたいのはいいけど、いちいち設定甘々の神だ仏だ作って
伝統だなんだって皮かぶって隠れるなよ子ちんぽこどもって思うわけです。

1年無事でスゲーよかったじゃん。と権威も格式も関係なく普通に喜んで
素直に感謝すればいいものを、感謝するにもいろいろキッカケが必要なのが民草。
そういうとこ足りねえから、まんまと宗教野郎たちにつけ込まれてしまう。

ただ便器だって、ここを狙って小便してください、という点を作ると
周囲にビシャー!ってのを少し防げるわけですからキッカケってのも
あながち悪いわけではない。

気持ちよく騙されたい、無責任な夢を見たいってのは人間の本能でもあり、
そういう意味では映画でも小説でも宗教でも一緒。
迷惑かけず楽しければそれが一番。俺だって毎回よせばいいのに
安SFやホラー映画に儚い願いを乗せ、お布施を絞り取られてますしね。
これに関して言えば現世利益ほとんどねーのに、払っちゃうんだな。


そんな様々な思惑が交錯する中、開催意図はともかくただただ
人が群がるお祭りを盛り上げようと、人だかりに乗じてまんまと
金儲けしようと突飛なお店を出して商売するのがテキヤ。

テキヤは任侠映画だとヤクザと混同されがちですが、れっきとした商売で
きちんとしたルール決めに従って管理運営されてる実に魅力的な
お祭り便乗集団。



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見てこのヒロキの明るさ。楽しそうだなー。
祭りに関わる人はこういう笑顔でいて欲しい。インチキなんかするわけない。



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見てこの田所康雄の笑顔。テキ屋というか香具師はこうでなくちゃ。
こんな人達が悪いことするわきゃない。楽しく売ってくれる。



すぐ刃物を振り回したり


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抗争おっぱじめるのはあくまで映画の中だけ。


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喧嘩は祭りの華だなんてのはタワゴト。
女子供が参加するんだから楽しく笑顔でやるのがお祭りで
テキヤはそのお手伝いをします。面白かったら多少のインチキも許す。
つーか、適度に胡散臭く不真面目であってほしい。

10年近く前の日報で、インチキ占いに喜ぶ俺




そういうわけでテキヤってのはもう最高にお祭りで気持ちが盛り上がっちゃって
緩んじゃったサイフの紐を狙う代価として非日常を存分に味わわせるという
まさしく参加者にとってもWinWinな関係の存在と言えます。

しかしそんなテキヤも近頃は普通の屋台ばっかじゃないすか。
安っぽい粗末な食い物を高く売る似たような店ばっかってイメージで
全然センスオブワンダー、非日常が足りてない。
手堅い食い物なんかいらねーでしょ。ナニコレ!?ってのを食いたい。

現代の諸事情もわかるけど、もっとぶっ飛んでて欲しい。祭りなんだから。
だから縁日に簡単な屋台だけってのは実にもったいない。
どんどん失われる多様性喪失の波がここにもですよコノヤロウ。


祭りの本質で言えば、移動カーニバルが正しい。

屋台を遥かに超える非日常で攻める移動カーニバルは素晴らしい。

アメリカとか観覧車組み立てたりね。大仕掛け最高。バカすぎて素敵。


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(ちなみにサーカスも非日常ですが道化師のソネットが聞こえてくるから俺ダメ)


で、なかなか現代日本において移動カーニバルクラスのお祭りが
行われる場所は少ない。だいたいみんな神輿だ山車だ御柱だとかばっかで
テキヤ方面への注力が圧倒的に足りてない。いいんだよ神事はテキトーで。
一番大事なのは出店の充実だろ。似たようなのばっか増えやがって!泣くぜ!
俺は祭りが嬉しい!と思って盛り上がってる人と盛り上がるでしょ!と
必死になってる人の生きざまが見たい。そういうのに触れたいんだ!

という俺のストレスを発散してくれそうな祭りが札幌は中島公園にあるというのは
随分前から聞いてました。

で、ちょうど一年ほど前、見世物展に行った時、現存する最後かもしれない
中島公園のお化け屋敷と見世物公演を体感しようと心に決めたわけです。


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決意させた時の週報



見世物小屋ってのは、背面の闇を超えて、やっぱカッコいい。



というわけで、当然仕事を持ち込みつつですが、
一週間ばかり北海道に行ってきます。ノーインターネット。

腹巻も買ったし準備万端。もう屋台で冷たいモノ、すげー食うかんね。
古本屋で郷土資料探すし、北大で中谷先生の研究も見ちゃうもんね。




で、最終的にこれくらいがっつりお化け魂を身に着けてくる予定。

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では来週の無駄な土産話を待て。
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2018年06月04日

6月第2週 日米マンガ週報

昨日で終わりでしたが、無事マカロニ展、行けました。
自分は平日の昼行ってきたわけですが、まーーーー、地獄。


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混雑の理由は写真。
撮影可能な原画をみんながずっと写真撮ってる。

でた、思い出乞食。

精緻な筆致の原画なんか見る気なんかなく、ただただテメーの無駄な
写真コレクションを増やしたいだけのクソ以下の思い出乞食どもめ。
何見たって区別なんかつきゃしねーバカ脳なんだから
額装したカラーコピーで十分だろが!あっちいけ!と思いつつも
熱気そのものは、やっぱマカロニほうれん荘だなあと感慨深し。

こないだのジョー展もそうですが、深く影響を受けたマンガの
本物に触れられるのは胸が熱くなります。とにかく原稿が綺麗!緻密!
その流麗な筆致の滑らかさ、筆の動きはうっとりするほど適確で
それでいて怒涛の勢いがある。キラめくとかほとばしるとかしか
言いようがない才能と勢い、発想とセンス、そして若さが目の前に!
静かな展示場で一人で見てたら泣いてたかもしんないくらい感無量。
カラー原稿なんかもうウソでしょ?ってくらい感動的でした。
コミックスや告知用カットさえも胸を打つ始末。俺もカンゲキです。

おそらく鴨川つばめの名を聞いて胸を痛めないファンはいないでしょう。
その圧倒的な面白さと共に、マンガ地獄の波に飲まれていった
ある種伝説に等しいマンガ家。

仕事し始めて、寝られなくなってくるとカフェイン系の錠剤や
ドリンク材を多用するようになりましたが、そういう異常な状況だと
必ず仲間内で出てくる鴨川つばめの名。耳を覆うような伝説を聞くにつけ
どれほど追い込まれてどれほど身を削って駆け抜けたのかと思うと、
マジで泣けてきます。
それは原稿にも残ってて、当時の俺らの記憶にも残ってる。

そこまでして描かなきゃいけないもんなのかな、自分のペースで
やるわけにはいかないのかな?と思ったもんですが、いざ自分が
仕事始めてみると、この体どうなってもいいから間に合わす!という
状況が頻繁に訪れるわけで、まったく他人事ではなくなりました。

そんな闘いをたった一人でやった若いマンガ家が何を得て
何を失ったのか俺には想像することすらおこがましいし、
簡単に使っちゃいけない言葉で鴨川つばめを評してはいけないす。

しかしこの異常とも言える原画展の大盛況ぶりに、鴨川つばめがやった
仕事の価値がハッキリと現れてると思いました。
まるでマンガのライブ感のようにこんだけ読者の心に刻み込まれ
現役で揺さぶれるんだ!と。

いや本当に見られてよかったです。主催の皆様、想像を絶する
ご苦労でしたでしょうが、ありがとうございましたぜ。


ちなみに俺が可愛い小学生当時、その絵に感動して

必死に模写したのがこのコマ


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立体的!って思って最終的に画用紙サイズにまで
模写しまくったのを覚えてます。
記憶の中で立体としてしか残ってないくらい。




一方

デッドプール2も初日レイトショーで見てきましたぜ。

基本的にデッドプールは全然好きじゃないし、
俺ちゃんという訳も大嫌い。それで喜ぶ人間はもっと嫌い。
ロブライフェルドの絵も大嫌いだけど、前作は面白かった。

俺はマーベルキャラの中ではスパイダーマンが心底好きなので、
ライミダーマンもホームカミングもまったく受け付けません。

同じくらい好きなのがケーブル。最初はライフェルドの絵で
ひどいもんだなと思ったんですが、どんどん良くなったキャラ。

そもそもが、スコットとジーンの子供ネイサン。
悲しいかな、テクノオーガニックウィルスに感染して
現代では治療できず、未来に送り込まれてしまうわけです。


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このXファクターのウィルスポータシオの絵は本当に
感動的でございましたぜ。


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そして戦乱の未来を生き抜いたのち、父親よりもオッサンになって
現代に現れるものの、自分の臓器提供用クローンに逆恨みされ
人生ハードモードで戦い続けるケーブル。

孤独な幼少時代を過ごしたかと思ってた矢先に発表された
このミニシリーズで、実は両親の精神に見守られて育てられたと知って
ファンのハートは癒されたもんです。


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そんなケーブルが、スーパー悪ふざけ映画でご登場となっては
もうどうなることかと思ってましたが、杞憂。

最近のタイムラインまでカバーして、実に気が利いてました。最高。



かようにマンガ大好きのテキトー人生を送ってるワタクシですが
先日、CCPでの打ち合わせで、ようやくこれをゲット。


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なんつーか、素晴らしい。改めて、作れてよかった。

感動したマンガのコマをフルパワーで作れるなんて
こんな贅沢はないわけで、本当に感謝しております。

関係ないすが、これのサンプルも見てきましたが、素晴らしい。


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感動したマンガのコマをフルパワーで作れるなんて
こんな贅沢はないわけで、本当に感謝しております2。


このところCCPのサンプルというか成型時の努力は感動的ですらあり
驚かされることしばしばです。

ツイッターでもちょっと書きましたが、最初に見たサンシャインの
サンプル、いわゆるトライ1は歪んで縮んで、それでいて
狙って膨らまして造型しといたところはまったく縮んでおらず、
もうなんなの?って出来でした。
ダイナマイトも頭を抱えており、これだけ長くやっててもソフビは
読めないところがある、けど修正しますと修正案を説明してくれたんすが
それでもリカバリー出来ないんじゃないかな、と思うくらいいろんな不具合が。

それから数か月たって、見せられたのがブラックサンシャイン。


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歪みがかなり修正され、しかも黒というのは意外にディティールが見え
そのリカバリーぶりに超絶驚いたもののそれでもまだ歪みはありました。

それが最終生産時で、ほぼ改修されており驚愕。
生産管理に奔走する男一匹ダイナマイト、結果で語ってて素晴らしい!
何をどれだけやったか聞きましたが、随分手間暇かけて修正したそうで
期待に応えるサンシャインになったんじゃないかと、実物を手に取るのが
楽しみでしょーないす。


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ケビンの彩色もそうですが、ちゃんと出来てて当然の原型はともかく
その後の色や量産でのリカバリー、実に頼もしくなってる気がします。
早く商品手に取りたい!
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2018年05月28日

5月最終週 アリジナル週報

先日、PCにペンタブをつなぐ。

ついにサンダーの野郎もデジタルの波に飲まれたか、と思われたいとこですが
実際は久々に絵を描いて取り込んだり直したりをマウスでやるには限界ってわけで
買ってから1年以上ほったらかしだったのをつないだってだけです。

それに引き換え、現在すでに1本を使い尽くし、あまりの便利さに
改めて6本買い足したのが、これ。


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フリクションいろえんぴつ。

原始人上等。何がペンタブだコノヤロウ。


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にしても、これ最高。

ソファで寝そべったまま消しゴムかけられる衝撃。
ゴミ出ないって凄い。
減りの速さとあんまり重ねて書けないのもあるけどそれでも
遠慮なく「線で迷える」この素晴らしさ。文明すごいぜ。


つーわけで、いよいよデザイン画に突入しているのは
ようやくのオリジナル路線。

思えばずいぶんとゴブサタでした。

もともと俺は他人のキャラはお金をもらうためには作るけど
本当はファン活動で作るのだって無駄だと思ってしまうくらいで
出来れば自分で全部考えてやりたいタイプ。

でもなかなかオリジナルは金にならないですからね。

生活の為にはプロフェッショナルでいる時間を優先しないとダメで
オリジナルで遊べば遊ぶほど支出が増えるばかり。

それでも仕事とうまく両立できるよういろいろ工夫した結果
まさに枯れ井戸に石を投げ続けるがごとき空しい経験に
もういいや、ずっと仕事してりゃいいんだ。
自分のモンなんか作るのやめやめ。と心が死ぬ事1年と半分。

しかし復活。やっぱり作りたい。

今度は若干の腕前と猿知恵がついてますからな。
慎重かつ大胆に事を運ぶぜ。

かくして勉強に本を読みまくり、調べに調べて
面白いもんだから余計なことまで調べて、軽く歴史を理解するつもりが

いまんとこ行きついた、一番気になる部分が




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プレートテクトニクス。

文明が吹っ飛ぶくらいさかのぼった。

いやもうフィリピン海プレート、やんちゃすぎだろ。
1400万年前に起こした噴火の数々、スゲーったらねーな。


アセノスフェア(マントルの表層)の代わりになる、なにか
スライド可能な表面の地球儀に、プレートパネルを重ねて動かして
体感できるようなオモチャないのかなと探したら


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んー、こういうんじゃねえんだよな。

もっとこう

地球上のプレートをぐねぐね動かして体感したい。


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ま、あったところで2分で飽きる気もしますが。


かくして日本列島の成り立ちのポイントが1400万年前の
そういう騒ぎだって頃、人類はどうだったかというと

当然存在せず。たぶんまだほぼネズミ。
調べたら樹上に逃げたげっ歯類の前方に眼窩が向き
対向性をもった指が枝を握れるようになったのが先祖のようで。



で、580万年前になって、ネズミが猿に進化し
やっとこ人類の元となるこれが


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エチオピアにようやく現れる始末。

ってまだ完全にどモンキーじゃねえか。
そこらじゅうでプリプリくそを垂れ、交尾しまくる猿では人類とは呼べません。

実際はまだ未発掘の事が多いでしょうから100万年くらいは
いろいろ差異が生まれるかもしれませんが、だとしても
文明を手にしたのはたかだかウン万年前でしょうから
ほんと、地球の歴史から見れば人類なんぞはアリンコと大差ないわけです。

そんなアリンコは、プレート移動の結果噴出したデカい溶岩塊とか
地質上の露出物ですら、これは凄い岩だからありがたい!神様だ!と
拝んだり登ったり、果てはお祭りまでして喜んでるわけですから
なんつーかもう、バカすぎてどうーしょもねーなアリンコ、
としか思えないんですが
実際はそんなアリンコの生き方にこそ興味が出るわけです。

ただの岩だっつーのに神だ!大事だ!と敬い、石はおろか草にも
虫にも魂を見出し共生を探ろうとし、あげくは便所にも神様がいると
言い出しなんでもありがたがっちゃうアリンコの性根。

実に素晴らしい。

これくらいのが出現したら拝みたいってのも理解できなかないけど


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日本においては、これで十分拝めちゃう


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微笑ましいったらない。


猿が手に入れた高度な社会性の中でも俺はこの日本特有の
飛び抜けたアニミズムがとりわけ大好きなわけです。
そこには輝きがある。間違いなく幸福と社会性の本質がある。


最終的に何がやりたいんですかとよく聞かれますが
俺は俺が正しいと思える物語を紡ぎたい、と答えてます。
そんな輝きに満ちた物語。

ちょっとしたキャラを作るにしても、正しくあれ、と思って
構築するわけですが、そのキャラにとって正しい事ってなんだ?と
調べるとどんどん調べ物が大きくなって、果てはプレートテクトニクスまで
たどり着いてしまうという壮大な寄り道。

でもそういう寄り道が、視界を広げ、アリンコの意味と価値を
見出せるんだとも思ってます。話ってのは結局氷山の一角でしかなく
その沈んでる部分をきちんと出来るマジメなアリンコでアリたい。
輝きを見逃さないアリンコの一匹でありたいと思うわけです。


だからオリジナルだなんだの落ち着くべき先は、世界で一番カッコいい
アリンコの話を作りたいってことですな。


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ちなみに悔しいかな、現在一番カッコいいアリンコ映画は

このゲームを実写化した


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これ





また知らないうちに変なタイトルでDVDスルーされてませんように。
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2018年05月21日

5月第4週 ボーガス週報


今度、新宿で小津4Kという上映があるそうで。

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昔はデジタル上映?と多少の警戒心があったんですが、今は
フィルム以上の場合も多く、まったく気になりません。
4Kデジタル修復ってのは、ちょっとよくわからんすが、
凄いに違いない。

先日読んだ原田治の「ぼくの美術ノート」には小津映画で
使用される「東哉」の器の話が出てました。

器はまったくの門外漢なので知らなかったんすが、東哉とは
京都清水焼の陶磁器製造販売で有名なお店だそうです。
だいぶ有名みたいで、小津安二郎が好んで使用したというのも
有名な話みたいです。


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画面に映るものってのは、想像以上にコントロールされてるもんで
小津美学が小道具まで染みわたっているのは当然っちゃ当然なのに
映画で使用されている器まで気にしたことはなかったすね。

いや、SFとかだと気にしてるか、結局。


いずれにしてもその話を読んで、キレイな小津映画を見てみたいなと
思ってた矢先なので渡りに船。なんとか行きたい。



俺はもともとホームドラマが大好きで、クリーチャーや
宇宙人やサイボーグが出てなきゃ映画じゃねえや、と思う反面
何気ない家族の日常を描いているものにも非常に心惹かれます。


思うにそれは間違いなく「時間ですよ」の影響で、あの世界観は
今でも憧れの的。演出家の久世光彦が構築して破壊した
お茶の間撮影みたいな感じが大好き。

しかしそれも元を辿れば小津映画のカメラありきと思います。


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時間ですよも最初は、手前にまだ人(一郎)がいたんですね。


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そのうちカメラ側には人を配さなくなり、スタイルが決まったものの
変化し続ける演出はバタバタと茶の間で暴れ始め、歌って踊り
久世演出のドラマは崩壊してバラエティと化してしまうわけです。

ま、それはそれで面白い部分もあるんでしょうが、

俺が好きなホームドラマの部分は、そこじゃない。


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フミさんがおカミさんを気にして、おカミさんがフミさんを
気にして、ってのを見てたい。心の機微に触れたいわけです。


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そういう意味では向田邦子の脚本回は大外れだしそれがメインの
寺内貫太郎は大嫌い。



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やっぱ時間ですよ、が好き。


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そんな俺が今週検索かけた画像、ビルとテッドの地獄旅行の
2こイチ天才宇宙人、ステーションのスーツ。

俺にとっての東哉って、こういうことなんだな。


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2018年05月14日

5月第3週 ゲンガ週報

先週は、しゅりけんとうちゃん原画展と原田治イラストレーション展へ。

どちらも小規模ながら、なかなか胸に来る展示でした。

まず、しゅりけんとうちゃんは2002年に忌野清志郎が絵を描いた絵本。
キンダーブックに掲載されて以来、書籍化されてなかったものだそうです。

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(現在発売中)

2002年頃の清志郎はというと、ラフィータフィーが終わって
ラブジェッツにさしかかる、個人的にはまさしく迷走の暗黒期と思える頃で
全然音楽に集中出来てない悲しい時期。その分こうやって絵本やTVやら
いろいろやってたんですが、いいアルバムは出してない時期。

時々こういう時期があった人なんでそんな陰も少しあるのかな
とか思ってたんですが、原画は元気いっぱいそんなことは微塵も感じさせず
リビングで闊達にわいわい描いたんであろうな、という感じが伝わってきて
非常に微笑ましいものでした。
マニキュアのラメなんかも使い、印刷はともかくいかにもな感じがまた
人となりを感じさせて非常に興味深かったです。


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それでもキンダーブック掲載時には、乳母車の娘が持っている鎖鎌の
先がとがってて危ないということで少し検閲が入ったそうですが
本当の配慮ゆえの検閲なのか、それとも頭ごなしの検閲なのかわからんす。
ただまあ、一見して浅慮と思われる判断にはイラっときますね。
頭デッカチの阿呆が口出すんじゃねーよ、とは思います。それをダメに
するならそもそも手裏剣投げる父ちゃんがダメだろ、って。
それを忘れといて、小さな女の子が鎖鎌というギャップの微笑ましさを、
これ尖ってて危ない!という野暮。そんな凝り固まった浅い考え方こそが
危険の予測や想像を膨らませる事に鈍感なイモを育てるんだろうし
モモちゃんにクサリガマ持たせたい親心、汲んだれよっつー話です。


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しかし当の本人はそんな些末な外野を意に介することなく、楽しそうに
描き散らしてるんで、絵に曇りは全然なし。見られてよかったです。

そして、築地に行き原田治イラストレーション展に行く前に
本願寺に寄ってみる。グッズショップがあって、そこで線香立てを買う。


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ピューターのウサギなんですが、一見して、これは線香を立てるんじゃなく
小さいマイクスタンドを作って黄色とオレンジに塗ってコタツにミカンを用意して
ささやかなMy柴山俊之置物、かわいいウサキクちゃん人形にしようと思いまして。


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という無駄な買い物をした後、築地場外市場の真ん中にある
パレットクラブ初訪問。


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細かい出自はよくわからないんですが、原田治が発足させたイラストスクールらしく
素晴らしく洒落ていて、今でも現役で教室やってるそうです。

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展示されてたのは初期の雑誌悪ふざけ時代の原画から実にバラエティに
富んだ作品の数々で、微笑ましいと同時に感心することしきり。

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似顔絵はそれだけで食っていけるほど上手いし、その後の可愛い系の
まとめ方の成長も見られる。抽象的なデザインもセンスあるし、優しい
風景イラストも味がある。つくづくあらゆる方面にアンテナ立ててて
あらゆる方面でセンスを発揮してるなあと再感心。

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特に細かい印刷指示の入った色指定イラストと、出来上がったページとの
驚くほどの差異に、改めて原田治のプロフェッショナルを感じました。

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もう現代においてはこういう指示は無用に近い作業です。

原稿用紙に手書きの原稿が、今はもう当たり前のようにワープロから
パソコンに移行し、データ入稿。
オモチャの原型も粘土をコネたり木を削ったりから、データ入稿に
移行しつつあり、いずれそれも特殊な事例以外、完全に移行するでしょう。

原田治が懸命に修得して操った丁寧な技術は、すでに過去のモノであり
カセットテープやフロッピーと同様、忘れ去られるものとなってます。

それでも、その当時、その技術を駆使して新たな表現に挑んだ姿勢は
どれだけ時代が移ろうとも作品にキッチリ宿ってるわけです。
技術ではなく、姿勢が作品として残ってる。

その時の旬のものを上手に使って最上のモノを仕上げたいという姿勢が。

ペーター佐藤含め、同時代を試行錯誤しながらも共に駆け抜けられた人々を
少しうらやましく思いました。いい具合に刺激しあったんだろうな、と。


自分はこういうカルチャースクール的な事ですら経験したことがなく
特殊造型を始めた時も自力で材料をかき集め、自力で作って
プロに持ち込んで見てもらったわけで、共に学んだ人がいない。

系統立てて学んだことも、机を並べて学んだこともないので
学校行って美術の勉強した、なんて話を聞くとまるでお菓子の城に
招待されたみたいなイメージで聞くことがあります。

まあ俺は自力でエサを探して来て育った野良犬的な自負の方が
うれしいんで、別に後悔はしてないんですがそれでもなんだか
学校通って、いろいろ教わりたかったな、って憧れがあります。
勉強だけで過ごせる空間。心の底からうらやましい。

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パレットクラブで購入した「ぼくの美術ノート」を読む限り
イラストもそうですが、原田治の話も生徒として聞いてみたかったなあと。

少し先を走る人の、ピリっとした意見は本当にいい刺激。
物事に対し、一家言ある人物の話は面白い。
同じモノを見ても、そんな切り口で見るのかという
「構え」だけ見ても流派の違いが勉強になるし、刺激にもなる。

イラスト展はまだ1週間やってるんで、興味のある方はぜひ。
70年代から80年代を彩った雑誌文化、江戸っ子の粋を残した
和風な遊び心と、屈託ない西洋への憧れと対抗心。そして
若い人に学んでもらえる場を作ろうとした男の理想の結果。
くーーー!と感じられると思います。


で、入り口には野良猫のクロちゃんがいるので、驚かせぬよう。
だいぶベテランの風格と貫禄がある「わかってる」猫がまた
原田治が作った場所に似合ってて、味わい深いす。
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2018年05月07日

5月第2週 ダバシ週報

先週はなんつってもようやく夢にまでみたブリバリーズの主役衣装争奪戦


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と、完全に内容が同じと思ってる、土星ゴリラとの手袋争奪戦を



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見られたわけで、いろいろ感無量でチョー語りたいんですが
それはネタバレ話にしかならないので置いておくとして、

先日、行こうか行くまいか迷ってた

あしたのジョー展に行ってきました。


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子供の日のスカイツリーというほぼ初詣レベルの人出の中、頑張って見てきました。

俺の中の梶原一騎配列は

愛と誠 > あしたのジョー > 空手バカ一代 > 男の星座

なので、なんとなく50周年でタカってきた愛情のない回顧展みたいなものだったら、
別にまあいいかくらいのスルー感で、ギリギリどうかなと思ってたところ、
ツイッターで背中を押されまして行くことを決意したという次第。

我が家からだと簡単に片道2時間かかるので、そこそこの決意が必要でしたが
行ってみれば本展示が始まる前の、フェイク試合ポスターを見ただけで
こみ上げてくるものがあり、なんというか、感情マックスで突入してきたわけです。


結構な原画の中でも印象深かった1枚は

林屋の紀ちゃんとのデートのコマ。

ここで、応援してはいるものの、心情的にジョーについていけない紀ちゃんは
ハッキリとこう言い放ちます。

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それに対し、ジョーは話下手にも関わらず、こう説明します。

「ちょっと言葉が足らなかったかも知れないな・・・。
オレ、負い目や義理だけで拳闘やってるわけじゃないぜ。
拳闘を好きだからやってきたんだ。
紀ちゃんの言う青春を謳歌するってこととちょっと違うかも知れないが、
燃えているような充実感は今まで何度も味わってきたよ。
血だらけのリング上でな。」

さらにこう続ける。

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そして


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ラストシーンに悩むちばてつや先生に編集者が見せたこのシーンが
あの真っ白に燃え尽きたシーンにつながったのは有名は話です。

今回梶原一騎のコメントでも書かれてましたが、青春の罠に
一直線にはまっていくジョーという表現がありました(たしか)。

青春の罠・・・



俺らは、常に、打算と向きあって生きてます。

常識的に考えて・・・世間的に考えて・・・いろんな条件を持ち出して
自分の心の赴くままに行動しようとすることを制限してます。
それが他者への思いやりであったり、気づかいであったりする場合もある。
でも出来るならば本当は打算なしに、心に素直に生きてみたい。


ジョーの物語の美しさは、そうした打算に挑んだ若者の生きざまでしょう。
それを原作者である梶原一騎は青春の罠と評した。

心の赴くままに己を酷使すれば、その代償はあまりに大きい。
だから我々はそれが出来ない。ブレーキをかけてしまう。

しかし、ジョーはそれをやってしまう。

複雑に変遷するモチベーションの向こうにあるものを
そこまで命を削って突き進む理由を我々が知りかねてるところ
林屋の紀ちゃんが、ぐっと切り込んでくれたわけです。

俺にはこのコマが相当ショッキングでガキの頃から刷り込まれてました。


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負い目や義理(という古風な言い方も胸にきますが)だけで
やってるんじゃなく

「すきなんだ」というひらがなの羅列。

死にものぐるいで
かみあいっこする充実感が

わりと おれ
すきなんだ

という告白。

可能な限り紀ちゃんに歩み寄ったジョーの台詞でしょう。

心配かけまいと、すこしだけ「わりと おれ」と軽めに
言う台詞のサジ加減が強烈に印象に残ってます。

あれだけの死闘を繰り返す理由が、居場所を探すのでも
自分を確かめるのでもなく、

わりと すき

という衝撃。


でもこれ、凄くよく理解できる。
ナナメに構えているわけでも、しょってるわけでもなく
別に軽さを装ってウソをついているわけでもない。

自分が感じる「いい」という感覚に身を委ねる本質的な正しさ。
自分への肯定感、道を間違えてない感が凄く共感できるわけです。

打算や駆け引きよりもなによりも、自分だけが感じる
いいんじゃないか、という感性に従える感覚こそ
自らをよしとする、つまり自由である本質なんじゃないですかね。

俺はこのコマの本物を見た時、自分はいつも、屁理屈はさておき
物事をとにかく素直に「好きであろう」と心がけてた事を思い出し、
このコマの影響だったんだな、と気づきました。

わりと すき はそれくらいカッコよく俺には見えてた。

わりとすきな事は、実は命を賭けるに足る事でもある。
打算や後押しなんかなくても、自分の感覚には本当はそれだけの
価値があるはず。ジョーは気負わず、鎧わず、軽やかにそう言ってのける。
わりとすきな事にすべてを賭けられる潔さと美しさ。男はこうあるべきだ。

梶原美学が提示した理想を、ちば画力が表現しきった原稿。

ちょっとした台詞の、ちょっとした配置や改行。
口語で想像した時の、響きの美しさや、余韻の心地よさ。

これが梶原一騎とちばてつやがギリギリまでせめぎあって
生み出したただのマンガだったのかと思うと、
会場で危うく涙が噴き出すところでしたが、我慢しました。

でも確信しました。俺の中にもジョーがいて、気づかずずっと
その背中を見てきてたのか、と。

こういうギリギリの問いに答えを出してくれる拳闘が
大好きだったんですが、今はもうなかなか見られないすね。
いろいろ胸が痛すぎて。
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2018年04月30日

4月最終週 サタクロ週報

本日はトイフェス。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
トークショーも多くの人に残っていただき、一瞬眠気も吹き飛びました。

体調的には過去最悪レベルの疲労困憊状態だったんですが、無事乗りきれて
なによりでございます俺。




トークショーではメインとなるはずだったサタクロ日記を
こちらで掲載します。

の前に、重大発表の要点をまとめますが

■キン肉マンクジ第2弾始動。
ステッカーだけでなく、ミニフィギュアなど混ぜ込んだクジの
第2弾がスタートします。大人買い特典は、前回のキン肉バスターに
勝るとも劣らないどころか、バスターを凌駕する(予定の)
新たな「技フィギュア」が!

ミニフィギュアは新たなスタンダードを目指す新形態。

■王位編コンプリート始動。
まずはビッグボディチームを年内走らせ、Studio24も並走しつつ
各チームコンプを目指します。今のところ、ペンチマン、レオパルドン、
ゴーレムマン、キャノンボーラーすべて俺が担当する予定です。

■東映まんが祭りも始動・・・としたものの、会場の反応に
若干迷いが生じているはず。

とかなんとかの話でした。




で、今回トークショーの軸にするべく、話のネタとして俺がせっせと
書いていたサタンクロス製作日記。
機材トラブルでまったく見られませんでしたが、完全版としてここに掲載。



赤裸々につづるOLの日常を覗く気分でどうぞ。



3月19日(1日目)
作業スタート。の前に、フィギュア王編集部にて打ち合わせ。
集中力を割かれるような楽しそうな話をされるが、
それに気をとられるとマジで完成どころではなくなると思うので、
サタンクロス終わるまで忘れることにする。

キャプチャー、スキャンした画像を整理し、資料を作成。
そこからパーツの割り振りを考えただけで終了。
やっぱりどう考えてもディフェンドスーツは無理。絶対。と判断。


20日(2日目)
パーツの割り振りをだいたい決めつつ、サイズの算出。
絵を描いて寸法バランスを割り出す。

サタクロ1.JPG

ポーズ用ミクロマンをいじくりつつ、ポーズについても決める。
3点接地にこだわるダイナマイトの希望が難しい。
しかしどうにか落としどころ発見。注文は厳しい方がいい。
マンモスオメガプリズマンと並べる事を考え調整。


21日(3日目)
寸法に合わせたパーツの芯などを作りつつ、嵌合部分の
部品作りも。いちおう試作として、注文されてない登場時の盾や羽根など
図面を書いて、ファンドで準備してみる。まずは盾。
最初なんでいろいろ遅々として進まず。

サタクロ2.JPG

22日(4日目)
集塵機を掃除してちょっとパーツをいじっただけ。ほぼなんもせず。
つーか削る作業が増えるので、準備しないとまずいんですが
フィルター外して掃除とか月イチの面倒臭さ。なので満足度高く作業は見送り。
代わりに別の作業をマジメにやる。設定的な。
大変頭を使ったので賢くなった気がする。

23日(5日目)
1日遊び惚けてなにもせず。デザイン用の文房具など買う。あとオモチャも買う。


24日(6日目)
実作業開始。
初期羽根の準備と、胴体加工。いろいろ差し替えも含め基本となる形状なので
先読み要素が多く、悩む。複製やもろもろの進行含めとにかくこれが最優先。

サタクロ4.JPG

25日(7日目)
基本ボディの加工。厄介。

26日(8日目)
基本ボディの加工。面倒。

27日(9日目)
今度こそ最後とばかりに1日遊び惚ける。KIN29ショップで
CCPマグを購入。うれしい。帰ってきて少し作業。難航。

28日(10日目)
ボディの加工+調整。手早くと思ってスカルピーで芯を作ってたけど
ボキボキ砕けて使えないのでマジスカで芯を作り直す。

サタクロ3.JPG

29日(11日目)
マジスカ芯でポーズを決定する。までもう、迷う。
先行していた原型のポーズは、気持ちはわかるが作るとなると
いろいろ整合性が合わず、参考にならず。

サタクロ5.JPG

まず、オメガ、プリズマン、そしてフェニックスを中心とすれば
マンモス、サタンクロスで挟んで並べるであろうから、上手(カミテ)に来るのと
登場シーンがその角度なのとで、メイン(オーバーボディ)のポーズ方向を決めていたが
改めて前後と左右を成立させるのが難しい。

ダイナマイトのリクエストも含め、厄介。

30日(12日目)
ポーズ芯出来て、ひたすら調整。なんも見えず。


4月1日(14日目)
手足をつけて調整。
方向性だいたい決まる。でもまだ光見えず。悩ましい。

サタクロ6.JPG

2日(15日目)
腕輪。コノヤロウ。でもこれがあれば、少しポーズをいじって
楽しめるんで、絶対入れたい。気分転換に顔作る。

3日(16日目)
腕輪調整後。仮の筋肉を盛るが
なんとあれだけ苦労した胴体を縮小しないといかん感じ。
なので縮小。いろいろ当初とイメージが変わり、困る。
大き目の鎧感より、密着した鎧感。でも胸板欲しいんだよなー。

正面からだと腰は絞らなきゃいけないし、寄生虫は胸骨のあたりで
そこに組み込まれるので、幅が合わないのでございます。

4日(17日目)
全体バランス再調整。基本的に全体像は見えたのでちょっと安心。
ただ組み合わせが厄介すぎて腕だけはまだ悩む。
オーバーボディ、登場で成立させればサムソンが死ぬ。
足を生かせば限定されるし、どうにもいいバランスが見えない。
右からも左からも、そして正面から成立しつつ、後ろの足とバランスとりつつ
原作のイメージを保ちつつ、立体物として成立する組み合わせを探すのは
チョー厄介。

5日(18日目)
打ち合わせでCCPへ。
監修スケジュールの存在を知り(当然すが)締め切りが早まり
シッコをちょっと漏らす。

6日(19日目)
登場版の羽根と楯などいじりつつ現実逃避。
首と頭部周辺の作業。これも嵌合ありきで作業。面倒。


7日(20日目)
腕を調整しつつ全体をいじる。まだポーズに確信なし。
ただ一瞬、光見えた。気がする。後ろ姿からの寄生虫感。

サタクロ9.JPG

8日(21日目)
ヘルメットなど全体調整。顔はだいたい決まりな気もするが
口開けた方が絵になるかなー。悩む。
でもこれはどうとでもなる心配無用。としておこう。


9日(22日目)
CCPで打ち合わせ。変更多数。読みが当たってる部分もあったけど
ダメな部分もあり上半身と嵌合以外ほぼ全部作り直し。
泣きながら帰り道、少し広めの台座木材を買ってくる。
作り直すぜ。

サタクロ8.JPG


10日(23日目)
上半身は後で直すとして、下半身、寄生虫を嵌合部以外全部破壊。
台座をギコギコ切って、準備完了。
で、リスタート。

ダイナマイトの要望はさらに寄生虫の横の動きが
欲しいとのこと。組み込んで見るが、そうなるといろいろ微調整が
発生してくる。とポーズや組み合わせも変わってくる。
というわけで、ほぼ1週間後ろに戻った感じ。
でも作り直したおかげで、光が確信に変わる。そういうもんですな。


11日(24日目)
スカルピーを盛り始める。確信というか完成図が見えたら
もうあんまり悩まないで盛れる。やっとこ筋肉などを気にしながら
初期彫刻開始。ようやく楽しく無責任なパートに入ったので幸福。



12日(25日目)
だいたい盛り終わる、楽しい。

13日(26日目)
下半身の筋肉彫刻。彫るのはいいけど、分割や嵌合を含め
先読みと組み合わせが厄介。とにかくいろいろ干渉が多くて困る。


14日(27日目)
寄生虫上半身から下半身の彫刻。
まー、位置が果てしなくズレる。難しい。


15日(28日目)
寄生虫下半身の彫刻。いいんじゃない?

サタクロ11.JPG

ただ遅れが激しくなってきたので、巻き返すぞ。
と心で誓う。

16日(29日目)
腕の構成、その他、パーツの準備進める。
ボディの嵌合部を直す。ほぼ1日かかる。
でも5体作るんで、ここはカッチリしてないといかん。
のでしっかりやる。

サタクロ12.JPG

17日(30日目)
肘から先の対応。寄生虫腕はその後の事を考え、手首を円にしたい。
ので8本準備する。

サタクロ13.JPG

18日(31日目)
ダイナマイトからメールで、動きの説明が急に。
ここに来てまさかのポーズのリクエスト。いやいやいや、27日監修で
最大5体複製してそれぞれ加工なきゃいけないんだからと
ゾっとしたけど、基本はこないだの打ち合わせで話した事の確認であり
すでに反映しているので一安心。でも一瞬ゾっとする。

前垂れや他の準備、とにかく彫刻すればいい、ってものは
全部準備を進める。

19日(32日目)
前垂れの準備、嵌合部の作成とガイド作り。
使いまわせると思ったら無理なので、2種ベースを作成。
同時に登場時の剣と楯を進める。



20日(33日目)
ようやく全体が自力で接地。というのもガイドなしで立たせられるよう、足首から先部分を作成。
肘先やブーツなど、細部彫刻開始。
サタクロ17.JPG

21日(34日目)
やっぱり足の調整は時間がかかる・・・
展示前提の強度を考えると、普通の原型ではダメなので
掴んでズレない加工と強度前提で、という条件が異常にめんどくさい。
ただ無責任に彫刻するだけならどんだけラクチンか。


22日(35日目)
肘から先、手先を作る。拳を9種。


23日(36日目)
肩から肘までの腕を作る。5本。
仕上げ開始でようやくシリコン手前までいけるかどうか。
未解決問題は前垂れ。厄介。

サタクロ13.JPG

サタクロ14.JPG

サタクロ16.JPG


24日(37日目)
血管入れて、磨いて仕上げて、調整してとやってたら
翌朝6時になってもシリコン流せず。
発狂寸前ながら、平静を装う。まだ薬は使わず。

サタクロ22.JPG

25日(38日目)
シリコンを流す。予想の最悪のスケジュールより4日遅れでの作業で
そんなこともあろうかと用意しておいた倍速硬化シリコンを使用。
いつもの透明シリコンだと完全脱型に24時間以上かかるが、これなら数時間。

しかし、結果は最悪。危険を感じて2種に分けておいたが、硬化早すぎて気泡抜けず。
とりあえず仮にこれで進めるとして、複製を作ってみるが、やはり泡跡がひどい。
でも直す時間なし。このまま泣きながら進める。早く抜けた分、早く進めるしかない。

この段階で5体は無理と判断。いやー、無理だった。
もはや食欲も消え、顔が引きつったまま。腹はギューギュー鳴るが食欲なし。

26日(39日目)
複製しつつ、他の作業を進める。とりあえず監修を乗り切るために
成立させるのが最優先。とにかくパーツを抜く。
もうコーヒーを飲まなくても眠くない。追い込まれすぎて
焦燥感の便意から、恐怖感に変わり、それを乗り越えついに解脱。
涅槃に入る。
ダイナマイトと相談の結果、なんとしても展示3体に持ち込むということに。

27日(40日目)
とにかく今日は監修なので、組めるよう進める。しかし1体が限界。
プレッシャーでついに尻から血が出る。もう久々。

やっぱし、単純に考えて腕4本胴体2個足4本は、サフさえも
ガンガンに食うわけで、場所も食うし、軸打ちの穴開けるにしても
倍時間がかかる。いまさらだけど、ナメてました・・・

でもどうにかオーバーボディ版が出来上がり、監修に向かう。

で、ダイナマイト約束の時間に現れず。1時間。
俺をほったらかして忘れたそうで、ここしばらくどれだけ俺が時計と
向き合って時間のプレッシャーと戦ってきてるのか、理解してない男を怒る。

でもまあ、今日の監修で見せてきた成型品の山をみると、いやこれ
スゲーいいじゃないですか!原型師天才!もっと大事にしてやってくれ、と
多少ご機嫌が戻る。

バスでちょっとだけ寝て元気が出たんで(5時間失いましたが)
さあ、最後の疾走開始。待ってる間に出したToDoリストはどう考えても
物理的に日曜までは無理だけど、明るくやってやる。


28日(41日目)
とにかくToDoリストを赤で消していくことに集中。時間がかかるものを先に。
後で追えるものは後回し。ひたすら時計を確認、確認、確認でカウントダウン。

レジンの切断にツレアイを投入。ミニノコ3本を渡し、切りまくってもらう。
朝8時に3体が出来上がる。

29日(当日)
結局監修の時からほぼ寝てないまま、会場に。





まあ、結論で言っちゃいますが、今回はイベントに盛り上がる予約用新作として
複数並べてという条件だったんですが、その為に「展示用ディスプレイ」を
ひたすら作ることになり、煮詰めるよりも量産優先の作業となりました。

ので、正直、商品原型を作った気がしてません。
予約をとるための雛型を作ったって感じ。

現場でも何度か言いましたが、基本はこの枠組み内ですが完全に
全部作り直す予定です。

安心してくれ。ここからやっとこ俺のターンだ。
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2018年04月23日

4月第5週 お告知週報

カッコいいスケジュールはやはり空虚な妄想に過ぎず、
名所江戸百景、前期諦める。
この日までにシリコン流せていれば、という素敵な計画雲散霧消。

つーわけで絶賛追い込まれ中で、余裕全然ナッシング。


なので改めて告知のみですが、今週29日のトイフェス

正式には

『キン肉マントイフェスティバル2018』

2018年4月29日(日)11:00〜17:00
チャリティ入札時間 11:00〜13:30
入場料:1000円(先着1,000名のみお土産付き)
場所 :秋葉原UDXギャラリータイプL

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CCPブースでは恒例のくじ(巨大化スグルあり)の他に
当日数量限定商品が(在庫数5〜90個前後)いろいろありだそうで。

で、会場で1万円買うと、狂気の5000円クーポンがつくそうで
(当日限定なので制限はそれなりにあるそうですが)
限定品買って予約に使えば結構お得と思います。
(くじも4回まとめてやるとクーポンあり)
詳しくは自力で調べてくださいまし。


そして当日予約はケビンマスクと(出来ていればの)新作がありますが、
ケビンはデコマスの展示をしてますのでよくよくご確認してやってください。

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すでに注文した人は安心の為。迷ってる人は決断の為。

途中原型を見せた段階で「マジョーラ!」と騒いでたダイナマイトに
俺はピンと来てませんでしたが、出来上がった実物はお見事。
彫刻が終了してない時点で、商品がイメージ出来てたんですか?と
確認したら、見えてた、んだそうで。なのでプラスアルファな
ダイナマイトのアテ感をご確認ください。
ちなみにガンマンの時は全然見えてなかったそうで、そん時
俺は見えてました。彩色の可能性の幅への反応なのかな。


で、俺が直接的に関係ある企画は、前回と同じく、
ダイナマイト延藤×ビッグバン稲坂×サンダー笠井による
1時間のトークショー。って企画。たぶん4時ごろからじゃないすかね。

ちなみに去年の様子。

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今年は紙を掲示して説明という原始人集団ではなく、ちゃんと
見やすい科学技術導入予定と進化してるはずなので、ご安心を。

3人それぞれいろいろサプライズや重大発表などご用意してますんで
ご興味のある方はぜひ。たぶん、面白いと思います。わかんないけど。
当日発表の新作原型についての詳細や、秘密、発表だけでなく
CCPやスタジオ24としての今後など重大かどうかわからんすが
おお!という発表は結構あると思います。

ただ

問題は、だ


すべて「俺が今やってる新規原型が出来上がってて、しかも期待に応えて
カッコよく上手く行ってる前提」で進んでるわけです。
取りこぼさなくて当然という恐ろしい前提。
しかもそれはあくまでカッコいいスケジュール上での話。

やってるご本人は現段階で全然出来てねーもんだから、
マジかよ、しくじったらどうすんのよくらいの感じです。
毎度そうですがプレッシャーはんぱなし。

しかしまあ、なんだかんだでその日は訪れるわけですから、
せいぜいそれまでひたすら頑張るしかねーのでございます。

当日は、俺はトークショー以外、販売などでは完全な役立たずなので
お気軽に声をかけてください。たぶん疲れ切ってるような気がしますが

ちなみに以前ご挨拶をした方でも、ヒャクパー忘れていると思うので
皆さん初めましてでよろしくどうぞ。

理屈コネて考えてるフリしてるけど基本は猿だから海馬が弱いんだな可哀相に、
と鼻で笑ってからお声がけを。

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じゃあ、トイフェスで。
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2018年04月16日

4月第4週 ヒコスケ週報

衝撃の事実が発覚


なんと、太田記念美術館でやってる名所江戸百景の前期が
26日まで!

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いやー、困ったな。うかうかしてた・・・

意外にきちんと俯瞰して展示されることがない名所江戸百景。
バラバラでは全部見たことあるんすが、どうしてもまとめて見たいわけです。

もともと自分が一番最初に浮世絵に興味をもったきっかけがこの
名所江戸百景でした。マンガや挿絵以外で絵画というか絵における
ショックを感じた初めてのものかもしれません。

マンガや小説の挿絵は、感動して当然。物語をはらんだものであり
情動を伴うことを前提としているわけで、入れ込んで当たり前。

でも子供にとってただの風景画とかは、製作意図が読めない、
ちょっとなんなのかわからない、ある意味1ランク上の知性が
要求されるものだった気がします。


少年野球をやってたのでずっとサンケイ新聞だったけど
名所江戸百景がオマケで集められるという企画を知って
読売新聞に乗り換えて欲しいと親に頼み込んで、切り替えてもらい
複製画集を手に入れたのが熱狂したキッカケだと思います。

が、その前になんで知ったのかな?永谷園のカードかなんかかな?

とにかくそんでようやく手に入れたのが

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でもこれは借り物写真で、俺のは書庫の奥、今どこにあるか謎。

すぐ出せない資料に資料の意味なし。ごもっとも。すいません。


にしても、SFやモンスター絵にしか興味がなかった少年のハートを、
百年以上も前の浮世絵がつかんだ理由は何か。



構図です。



たしかに構図という概念は脳にはあったと思いますが、こういうものか!
とハートで感じたのは名所江戸百景が初めてだと思います。

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それ以前で強烈に思い出されるのは、天野喜孝が描いた小説の表紙に
衝撃を受けました。きれいだなーって。
それまでは図解的なゴチャゴチャ絵に惹かれてたので、北欧神話舞台の
この話でこの表紙はとても印象的でした。

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ただ、後年
サンチャゴエルグランデを知ったら感動はそっちにシフト。

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晩年のダリ、攻めてますね。いつか本物を見てみたい。
でもやっぱりこれらは「対象物」がハッキリした絵。

対象物もぼんやりしたただの景色に、いったい何の価値があるのかが
自分には理解できない時、悪ふざけのように構図で遊んだ
粋な絵に出会ったわけです。これで遊ばなきゃどうするよって。

専門で分析している人が多いと思うので、構図に関してなんか広重の
理屈や背景があるのかもしれませんが、俺はよく知りません。

ただ、サービス精神旺盛な描きっぷりに、絵の魅力、創作のサービスって
面白く作るってこういう事だなと、認識を改めさせられたわけです。

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軽く10枚ほど引っ張り出してもこれですかんね。

魅力的なキャラクターや煽情的な要素がなくても、ただの風景の
切り取りでも、切り取り方によってここまで面白く出来る。
大衆娯楽とはかくあるべきで、気持ちよい嘘はとても心地いい。
広重のアプローチはまさしくカルチャーショックでした。

この認識を得たおかげで、普通にファインアートの風景画見ても
クッキーの缶にありそうな柄だな、って感想や自分とは無関係の
遠いどこかの何かではなく、作者が見せたい表現として
受け止めることができるようになった気がします。



そんな名所江戸百景、つまみ食い展示が多く、まとめて俯瞰して
味わう機会がありそうでない。しかし、いよいよ信頼すべき
太田記念美術館での展示決定で小躍りしてたんすがすっかり失念。

気づいたら前期が26日までに対し、俺の締め切りが27日。

なかなかこれは過酷というか、もう完全に無理って状況なんですが
(すでに遅れも激しいし)映画は見逃してもまだすぐソフトになるけど
浮世絵はなー、実物見逃すとなー(本と複製、持ってるだろ!)

つーわけで死ぬ気で時間作って行くしかないす。
サっと行ってサっと帰る。移動時間を睡眠時間にあてる。
早く固まるシリコンを注文したんで、戻ってきたら硬化完了で作業に戻る。
これで行ける。(カッコいい計画)

よし、退くな。俺!
って、わかってたんなら早めに行っとけバカコノヤロウって話です。
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2018年04月09日

4月第3週 120%週報

すっかり忘れてましたが、思い出して腹立つったらないのが
キックアスのサントラのスコア盤の未発売。

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アマゾンUKでダウンロードだけで、アイチューンだかのカード買って
うんたらでと普通には買えない方法か、そうじゃなきゃ不法のCDを
探すかしないと手に入らないって代物なのにNHKのダーウィンが来たとかで
平気でガンガンBGMで使ってるからさらに腹立つ。
BBCとズブズブだからな、NHK。くそが。

で、先日TVでキックアスが流れてたので、最後の方だけ見てたんすが
やっぱりジェットパックシーンで流れる曲「フライングホーム」が
素晴らしい。まさにカタルシス。誇らしくヒロイック。
入り方も、タメも非常に上手い。




しょうがなくユーチューブで聞いて我慢するしかないんすが
こんな映像を見つけました。


(1:56から)

なんとも微笑ましい。このチョイス。この編成。
そして間違えまいと頑張るたどたどしさの愛らしさ。
アレンジ入れた人がおそらくマジメな先生だろうから、ツボの
ハズシっぷりが容赦なくとも、それも含めて非常に優しい世界。
子供に30人くらい惨殺された直後のシーンの曲とは思えない。

演奏してた彼らがこの後、音楽の道に進むのかどうかはわかりません。
この場限りの体験かもしれないし、一生心に残る体験をしているのかも。

こういうプロフェッショナルじゃないオーケストラを見るたびに
思い出すのはレナードバーンスタインの最後のリハーサル。
札幌の若手育成楽団PMFで教える姿。



この映像では少しカットされてますが、さらなる要求を続ける
バーンスタインの指導にどうにか応えようとみんな必死で演奏する。

技術が悪いのか?間が悪いのか?どうしたらこの老いた偉大な演奏者に
自分たちの音が届くのか、納得してもらえるのか。

度重なるダメ出しに、楽団の若手は必死に答えを探して足掻く。
届け、とばかりに音をひねり出す。でもダメ。だったらこれは?こうなら?
と、懸命に人に届く音楽を手探りする若者の姿に納得したバーンスタインは、
それが音楽です、と言う。
伝えようとする気持ちを持ちなさい、と。

で、意訳ですが
「あなたが良い音楽家を目指すのであれば、心からそんな音楽家になりたいと
願いなさい。なぜならそれはとても難しいことだし、そう思うことから
始めなければいけない。並みの演奏家になるのはたやすいことだし、
うまく乗っかって演奏するだけなら誰だってできる。
しかし、良い音楽家と並みの演奏家には昼と夜ほど違いがある。
今やった5分間にそのことのすべてが含まれてます」

そう言ってリハーサルを締めくくります。

音楽も造型も本質は同じでしょう。
その本質とは身勝手な自己表現ではなく、何を伝えたいかであり、
なにをもって共感を呼びたいかの手段、に尽きます。

条件を満たし、間違いのないモノは割と誰でも作れるわけです。
ただ間違ってないけど、面白くもないというものも多い。
楽譜通り、デザイン通りになぞっても間違いじゃない。
それどころか、それは正しい事です。でも面白くない。なぜ?

結局、何を伝えたいかが「ない」表現ってのは薄っぺらい。

伝えたい何かは、別に大上段に振りかざした主義主張でなくともいい。
ちょっとした美意識でいいし少しだけの工夫や気持ちで
十分なんだと思います。
ほら、ここ。こうでしょ?どうよ!ね?ってので。

創作物には、表現には、そんな
「共感への努力」が不可欠なんだと思うわけです。
商品にはなくても成立するんでしょうけど。

先日買った、マジンガーZ大百科図録。

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暗黒大将軍の絵コンテが全部収録されていると教えてもらい
他に資料を山ほど買わなきゃいけないのにそれらをすべて差し置いて
買ったわけですが、全然安い買い物でした。

日本で一番燃えるまんが映画が、マジンガーZ対暗黒大将軍。
本当に何度見ても燃える。

物語的にはマジンガーZ対デビルマンの方が好みですが
アニメーションとして見て感心するのは暗黒大将軍。

これの何が凄いかってのを語らせたら1晩語れるくらいですが
その傑作の絵コンテ、つまりその映像の設計図が見られるなら
5000円は全然安い。

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もちろん昔のアニメなんで古臭いのは当然で、
原風景として体験したアドバンテージもあります。
ただそれを差し引いたとしても、ここには巨大ロボットを
操って戦うカッコよさを徹底して引き出そうとした
職人たちの創意工夫と矜持と喜び、共感への努力が見てとれるわけです。

基本は、成功したコンテンツ(マジンガー)のテコ入れ作業であり
原作者永井豪の思いとは裏腹に、商業主義の悪影響がスタート。

TV本編の抜粋をブローアップしてお茶を濁すのではなく、まさかの
クロスオーバーで成功した対デビルマンのフォーマットに従い
劇的な交代劇を劇場でやろうというもの。

しかし、それが丁寧。実に丁寧。

脚本はもちろん、画面作りや演出は憎いほど手が込んでいる。

別にやっつけでもよかったんだと思います。


ただね


わかってるんですよ、スタッフが。

ちびっこが何に喜び、男の子が何をカッコいいと思うかを。

マジンガーを苦しめた武器を、突き出した片手でグレートが
簡単に弾き返すシーン。
その跳ね返しっぷりに、新素材の圧倒的頑丈感が出てるわけです。
絵コンテはサラっと描いてますが、質感、画面でのサイズ、
飛び散り具合など、本番でその意図が数倍カッコよく見えている。
脚本、絵コンテ、本編とホップステップジャンプが素晴らしい。

また、代名詞ロケットパンチを超えるアトミックパンチの発射。
ゆっくりと回転しながら敵に迫るパンチをカメラは追う。
そのゆっくり具合、スローの割合がまた絶妙。
何コマスローかで印象ってのは大きく変わります。ゆっくり回る
その重い巨塊発射感と回転モーメントとのスタート感が素晴らしい。

ギュルギュルギュルってやってもいいのに、それはグレートブーメランが
担当しますから、メリハリとして圧倒的なトルクを見せた方がカッコいい。

そしていままで応援してた主役ロボが嘘みたいに蹂躙される。
子供たちはみんなマジンガーの武器を熟知してますし、その使用を期待する。
しかしいつもの使い方では勝てない。TVサイズじゃ倒せない敵です。
それでも主人公は的確な判断で地味な武器を使用して相手の裏をかき
危機を脱する。そうだその手があったのか!という喝采。
共感と同時に、主人公が機体を熟知しているという信頼感。
これもまたカタルシス。

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見たこともない新兵器を急に使って戦うのは、作劇的に
極めて低級でしかなく、カタルシスとは程遠い。脚本家の愛情を感じます。
仕方ない交代劇をやりつつも、決してタダでは屈しない主役の存在感を描く。
ある意味、この傷ついたマジンガーがなければその後の評価の歴史も
少し変わってたと思います。それくらいインパクトがあり美しくも悲しく
そして雄々しい姿が子供たちの目に映ったわけです。
くそ、ボロボロになってもマジンガーかっこいいな!って。



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俺が暗黒大将軍が大好きなのはスタッフがこうしたカタルシスの追及を
随所に盛り込んで、飽くなき闘争心(サービス精神)で挑んでるところ。

作劇的に成立しているのが100%の状態だとしたら
面白い!という状態は120%を超えないと無理。

ああそうだよね、だと思った、という一般の予想を
大きく上回ってこそ、面白いという感想になるわけで。

じゃ、その120%に到達するには何が必要なのか?





たぶん、バーンスタインの言ってたような
ただの乗っかるクリエイターではなく、良くあろうとする
その先を求めるクリエイターじゃないとダメなんだと思います。
それが共感への努力を生み出すパワーなんじゃないか、と。

届けるべき何かをきちんと持つ人になろうという理想や憧憬の有無が
責任感や克己心が「男を分ける」と思うわけです。

そんな事を思い出させてくれたキックアスからの暗黒大将軍の流れだった、って話。

必死に出すぜ、俺は。

年末、今年を振り返って、どうよ!って言ってやる。

知恵と作品と商品を、絞り出す!


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2018年04月02日

4月第2週 フェルン週報

またどーしょもないオッサンの日常話で恐縮すが

もうこれからどこも出かけず作業に専念するぞと思った矢先
お隣のお姉ちゃんが大学を卒業し就職するというので
お祝いにケーキを買う為、やっぱし出かけることに。

目当てのケーキ屋が池袋なので、だったらついでにKIN29ショップで
マグ買いたいし。

でもどうせなら少し早く出て、その外出で今年の花見も済ませちゃおう。
池袋からなら桜の季節に行ったことのない飛鳥山でいいじゃねえか。

だったらついでにちんちん電車に乗って、愉快な都電めぐりが
いいんじゃねえか?と計画はどんどん大規模になってしまい
またしても1日遊び惚けてくることに。


まず都電と言えば

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コロ助の心臓部。のスプリングが都電のベルのを再利用したという情報は
あんま関係ないすが、俺の中ではそれもあって一度は都電を始発から
乗ってみたいとは思ってたのでこの際腹くくって一番端っこの

三ノ輪まで行って、そこからスタート

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ワンデーパスを買って、思いついたとこでチョコチョコ降りる式


昭和臭バッチリの喫茶でボテボテのナポリタン食ってテーブル占いやったり

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こんなちっさいカプセル知らなかった。



都電もなか買ったり

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他に都電グッズ充実の謎の和菓子屋。
もなか普通に美味い。のは生地と餡の関係が均一に続くからと判明。

混み過ぎて鬼のような行楽ラッシュで地獄運行の都電でしたが
ようやくジジババパラダイス、王子の涅槃こと

飛鳥山に到着。

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まー、当然人が多すぎて風情も何もあったもんじゃなく
花見にかこつけて酒を飲みたがる粋とは程遠い邪魔っけな連中が
みんな死ねばすげースッキリするのにな、とか思いながら一駅分歩き抜ける。


あ、ここいいな、写真撮っとこ、と思ったらそれは便所の屋根。

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なんかイヌグソ臭いと思ってたんだ。



その後、気になってた庚申塚のいっぷく亭(都電のホームにある)で

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いろいろいただいたんすが・・・う


美味い!(言うな)

アンコ話をしたくなるくらい腰が入った本気アンコで、実に見事。
派手さはないけど、誠実さと真剣さが感じられる最高ぶりで
驚き、混乱、感心、感動と真面目な良い物を食う時のコンボ炸裂。
ゆであずき、つぶあん、こしあんの触感を自在に操る凄腕ぶり。
月イチで通いたいくらい。季節の桜餡のおはぎも絶妙。素晴らしいす。


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その心意気やよし。また必ず行く。それも近いうち。
なんか毎週甘いモノ話書いてる気もしますが、自宅にいる時は頻繁に
甘いモノなんか食いたくない!と言ってる不思議。



その後、雑司ヶ谷のこちらへ。

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東京に住んだヘルンこと小泉八雲は、瘤寺というお寺が大好きだったそうで。
大きな杉がたくさんある荒れた寂しい静かなお寺で、朝と夕方散歩に行き、
パパさんが見えなければ居場所は「瘤寺」というほどたいそうお気に入り。
「ママさん私この寺すわる。むつかしいでしょうか?」
「あなた坊さんでないですからむつかしいですね」
「私坊さんなんぼ仕合せですね。坊さんになるさえもよきです」
「あなた坊さんになる、面白い坊さんでしょう」

家族で坊さんになってかわいくお経を唱えて仕合せだろう、
来世では坊さんになりましょう、と夫婦で話ながら散策した寺。

その寺で大きい杉の樹が切り倒され始めた時は大層な失望だったそうで
現場を目撃してショックで、帰ってきてから書斎でしょんぼり。
樹が可哀相だ、心が痛い、今日はもう面白くない、切り倒すのをやめろと
頼んで欲しい、などと言ってたそうで。
そこから和尚が代替わりして樹がどしどし切られ、ヘルンの好きな
静かな世界はとうとう壊れてしまったんだそうで。

「私が死んだらば、三銭或は四銭位のちいさいかめを買って来て
それに入れて淋しい片いなかの小寺に埋めて下さい」
と言ってたヘルン。
墓は小さく外からは見えぬようにして、と願っておりました。
急逝された際には、生前気に入らなくはなっていたものの、
お世話になってた和尚に頼んで、その瘤寺にて葬儀を執り行ったそうで。

今から100と14年前のことであります。

しかしお寺に埋葬すると移転の心配があり、そうした不安のない共同墓地へ
葬ることにしたものの、青山ではにぎやかすぎてパパさん好まなかろう、と。

なので寂しくもあり形勝の地でもあった、パパさんお気に入りの場所にして
若ければここに住みたいと言っていたほどの雑司ヶ谷にしたんだそうで。

常に気が利く奥様、ママさんこと小泉セツ。
ヘルンが日本に住んだわずかな期間、作家としても人生としても濃密に過ごせたのは
小泉セツの存在あってこそ。日本の文化を教え、話を教え、多感な作家性を
優しく見守り、時には共に涙を流しながら創作に協力したそうで。

そんなママさんが可能な限りご主人の意向を汲んで少しでも安らかに、
と選んだ場所がこの雑司ヶ谷霊園なわけです。胸にくるじゃないすか。

パパさんの没年1904年から28年後の1932年。ママさんも。
そして自ら選んだお墓に夫婦仲良く眠っておられるわけです。
(隣の小さいのがママさんのお墓)

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都電めぐりを決意したのは、このお墓参りが出来ると知ったから。

こんな一方的な思慕の情だけで墓を参るのは高校生の時の坂本龍馬以来。
だいたい墓なんてどうでもいいと思っており、儀式も暦も興味なし。
ただ知った限り、素通りは出来ないすよね。手の一つも合わせたい。

しかしここがまたなんというか、激変する大都市東京の宿命か
微笑ましい墓の並びを容赦なく見据えるビルのコントラストが
実にまた味わい深く、なんだかヘルンのボヤキと奥様のいなしが
聞こえてくるような佇まいの場所。おそらく訪れるファンの脳裏には
いきいきとヘルン言葉が飛び交っているに違いない。そういう意味でも
ヘルン先生が永劫と息づく不思議な場所と思います。

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それにしてもなかなかに面白い時間でありました。



で、田舎から東京出てきたけどあんまみかけないな、ってちょうど言ってた
ツクシを発見したのはなんと、都電線路の軌道バラストの中。

いやいや、おかしいだろ?
数分おきにスゲー走りまくってる現役の軌道内で植物枯れないの?
こんな絵、廃線でしか見たことない気がするけど、こういうもんなの?

と思って写真撮って家に帰って調べてみたら
実は都電は東京都交通局が検証実験をしている、軌道緑化事業に挑戦しているそうで。

なんでも基板の上に砂を敷き、そのうえに保水セラミック基板を載せたうえで土を被せ、
そこに植物を植えているそうで、適度な水分を保ちつつも、大雨が降ったときには
その多くの水を流すようにできているようです。
植物も厳選され、建物の屋上緑化などで使用しているセダム種4種混合というもので
多肉植物、つまりサボテンとか水が少ない状況でも対応できるのを選んでいるそうです。

都電荒川線では、これまでにも同様な実験をして過去2回にわたって失敗していて、
今回は3度目の挑戦となるそうです。軌道内なので水遣りが難しいとか、
レールに塗る油が散ったりしてうまくいかなかったとのことです。

というのが2年前の話だから、順調なのかもしれんですね。

なるほどなー緑化、頑張ってんのかー、と自分で撮った写真見たら・・・

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これ、ムダ毛処理し損ねたみたいに並バラストにぼうぼうに生えた
ただの野生のスギナじゃねーか!何が緑化事業だ!ネイチャーイズワイルド!


緑化事業の写真は・・・

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全然違うぞなんだコノヤロウ。感心して損した。


伊達に難防除雑草の名前や、根深さゆえに「地獄草」の名前
貰ってるわけじゃないスギナっつーか、シダ類の胞子ナメんなよ。
人類が滅びたら、まずシダ類の天下だからな。


というわけで、都電めぐりは雑司ヶ谷周辺で終了。

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そのまま早稲田には行かず、池袋で降りてKIN29ショップでマグを購入。
宿願を果たす。

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これ、もっと柄増えて欲しいす。
カーテン、巨大化、バスターはもちろん6騎士やタッグも行けると思うんですよね。
もちょっとフォントにこだわりあってもいい気がしますが、今後の展開に期待してます。



かくしてもうしばらくお出かけはしない。
4末のイベント合わせの作業に浪人生並みに没頭するのであります!

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2018年03月26日

3月最終週 収縮週報

今週あたりで予約開始だそうです。CCP ケビンマスク。

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さて
確定申告が終わったので先週はちょっと出かけてきたんですが

銅板でパンケーキではなくホットケーキを焼く店、梅が丘フルフルへ。

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確実に座れるのがコース予約しかないというので、コースを
頼んであったんすがこれがもうなんつーか、贅沢地獄。

そもそも男は!だ

何が美味いだ不味いだを言ってはなりません。
テメーのさもしい口に合う合わないだはあっても、合わないだけで
美味くないなんて断じる野郎はガキか文化未修得のサル以下。
口に合わないとしても感謝して食え!ってのが日本男児のあるべき姿です



味はともかく料理には上手い下手がある。つまり調理のテク。
どんな素材でもバカみたいに火を入れちゃえばガビガビになるけど
絶妙のタイミングを見計らえば、最高の状態を引き出せる。
素材の吟味と組み合わせ、調理は科学そのものであって、
正しい研究と的確な技の研鑽が、よい状態を探る条件です。
科学である限り、探求すべきもので、真理を探るしかない。
より真理に近づき、普遍の法則性を見出したものが上位。

そういう意味で、料理に美味い不味いはなくとも上手下手はある。

自称パンケーキが自慢の店に行っても、なんだ鉄板の温度
確かめてねーのかよ、とか、全然時計見てねーのか、とか
生地寝かせすぎるとどうなるか試したことねーのか、という
論外の店は多いわけですが、ここはバッチリ違いました。

甘味をつけた生地を的確に焼いた状態は、底面の少し強めの
焼きも含め、絶妙。バターだけで最高。まさしく夢見たホットケーキ。
他なんもいらない。
ガメラの宇宙人が出してくるであろう味が間違いなくこれ。

しかし問題はほかのフルーツ攻め。盛り合わせやパフェなどが
次々攻めてくるわけですが、これが完全に背徳の行為。

美味しいとこだけを切り取って乗せてあるわけです。

スイカで言えば、真ん中近い部分だけ切り取ったものを食すに近く
はっきり言ってこういう事はやってはいかん!こんな贅沢をするのは
王様だけだ!と罪の意識にさいなまれながら、食う。
ぬおー美味い!(言うな)
まー、フルーツの事で商売しているだけあってチョイスが絶妙なんすよね。
銀座や新宿の大手フルーツ店とは行き届き方が違う。GK的。
ロブションのとこみたいに材料をコネクリ回して殺してるのもアレですが
こうやって食いごたえのある部分だけ生き肝みたいにくり抜いて
食わされるのもまた心苦しい(どんな表現だ)。

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いずれにしてもフルーツ食いは俺には過ぎた贅沢だと痛感しました。
みかんはフクロやスジごと猿みたいに食います。それでいいです。

ちなみに全然関係ないすが、バイプレイヤーズは俺の中では相当
評価が高かったドラマで、曲までDLして聞いてたくらいでして。

なのでショックもでかかったんですが、1,2シーズンにゲストに
出た俳優さんで、劇中仕事干されて「俺、4人も子供いるんすよ・・・」
と泣きながら言ってた俳優さんが、奥さんと4人の子供と一緒に
ワイワイパフェ食ってる場に遭遇。なんかドラマの続きの
幸せになったその後を見られたみたいでちょっと泣けてきました。
登場人物のその後が気になるのがいいドラマってのは昔から
よく言われてますが、なんにしたってみんな幸せになって欲しいもんです。


さて、その後、気になってた浅草近くにある特殊文房具屋
カキモリに向かう。ここではカスタムノートの製作が出来るそうで。

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ここにきてまた俺の周辺はいろいろ動き始めており、俺も
ほぼ1年半近くオリジナルに関しては心が死んでましたが今はもう全開。
掘って掘って掘りまくってやりたいほどですわいという園丁気分。

なので拍車がかかるようなオリジナルノートにデザイン描きまくっちゃお
なーんて事をもくろんでたわけですが、実際に店内でサンプル見ると
???これでは俺の要求には応えられん。
華奢、種類少ない、無駄な装飾は多いで、完全に女子向け。
確かに女性が群がってる。

のでオリジナルノート製作はやめましたが、いろんな鉛筆があったので
買ってきました(鉛筆大好き)。

その後本当は、ヒドゥンフィギュアがまだ劇場でやってたので
見たかったんですが、会期終了のこっち優先で、杉並へ。

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なんとこれが置かれている。

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いやー、小さい。

他にも田中ケイコリスペクトのグッズ収集に感動。最高。

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クレヨン欲しい。

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さすがに一緒に映る度胸なし。

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もう俺の女子爆発。キンタマの径が4ミリくらいまで縮む。かわいい最高。
かわいいのだけ追いかけて死んでいく事に決定。


で、荻窪まで来たので、このところマイラーメンブームの高円寺で
刀削麺を食いにちょっと足を延ばす。そこは豆魚雷に教えてもらった
近所で美味しい定食的店。なのでついで豆魚雷に寄って、今一番欲しい
ネカのアッシュを買うことに。そんで行ったら、なんとセール。
安くてラッキー!というより、品物があってラッキー!でアッシュ買う。
テンション上がってキンタマの大きさ、一瞬で元に戻る。


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なにがかわいいだコノヤロー!全部切り株にしてやる!


それにしても箱が無駄にレンチキラーだったんすが、これは
モノがくるまで特に押してアナウンスされてなかったらしくショップで
受け取って知って驚いたんだそうですが、どこまで客にサービスするんだ
俺たちのバカことネカ。おかげで箱捨てられないっつーの。

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しかしこうなると若アッシュも欲しくなってくるっつーまずい連鎖が・・・
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2018年03月19日

3月第4週 ケビン週報

さて、今回は先日発表になったケビンマスクについて。
いつにもましてキン肉マンに興味のない方にはどうでもよすぎる
話ですが、もはや半分がキン肉話と化してるこの肉地獄週報。
そっと閉じてもらうか潔く諦めて読んでもらうしかねーですな。
今週こそスーパーどうでもいい一人語りにして、もはや論文。
画像混ぜる気も遊ぶ気もなし。よほど興味のある人だけどうぞ。

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で、CCP初のキン肉マンU世のキャラクター。

いままでキン肉マンにおいて、このU世の存在というか
リンク(継続性)をどう判断するかというのは大きな問題でした。

どんなキャラクターで、ファンは何をそこに見ているのかを
探りたい場合、作る側としては明確にしておく必要が出てきます。
たとえば主人公のスグル一つとっても、U世の構造を取り入れると
キャラクターの理解や、構築の仕方が全然変わってきます。


普通に考えれば、U世はキン肉マン36巻までの話からの
正式な続編かと思われますが、実はそうとも言い切れない。

現在進行しているキン肉マンは、ジャンプ連載時から
直接続いている時系列で、36巻で終了した王位編から
完璧・無量大数軍編、始祖編とつながり、いまもまたオメガの民と続いている
「スグル時系列」と言え、現在62巻まで刊行。
1979年から1987年まで8年間に加え、中断を経て
2012年から現在までの6年の、計14年の連載で
先日62巻が発売されたばかり。

一方のU世と言えば、王位編から28年後が舞台となっており
そこから始まるキン肉マンの息子、万太郎の物語。
「U世時系列」としますが、これは2部構成+月刊など
合計すると実に61巻分刊行されております。

1997年から2011年まで、こちらも14年連載してまして
世代によっては、U世こそがキン肉マンに触れたきっかけで
原風景となっている人も少なくないわけです。

いろいろ数字が多くて面倒ですが、ボリュームで比べるなら
両時系列とも現在ではほぼ同等の刊行量。互角。
アニメ化もされている。U世はスグルと肩を並べるだけの
「量」を備えているわけです。


ただ最初に書いたリンク問題。「U世時系列」の28年の空白が
直接「スグル時系列」につながるかというとそうでもなく
U世はキン肉マンからの正式な続編とは言い切れない。

ご存じの方も多いかと思いますが1部で続編スタートしつつ、2部では
まるっきり別の時間軸が途中で発生して別の歴史を構築している。
正しく言えば最低2回の時間分岐点が存在し・・・と
そのへんを検証し始めるとキリがないんですが、とにかく一筋縄じゃいかない。

だから自分が造型を担当する場合、U世時系列は除外して作ってました。
特にレジェンド超人と言われるメインキャラの場合、絵柄も意味も
解釈が大きく変わってくる。実は作り手にとって非常に厄介な存在だったわけです。



そもそもキン肉マン世界において真剣に時系列を問うのであれば

一番最初のキン肉マンはウルトラ兄弟だったという「ウルトラ時系列」や、
ミートが同級生だった「学校篇時系列」
ラーメンマンに関してはむかしむかしが舞台の「美来斗利偉時系列」も存在する。

メインの「スグル時系列」はタッグ編で「U世時系列」に介入され分岐しますし、
その「U世時系列」は「スグル時系列」との接触で「間隙の救世主不在時系列」が発生。

もはやいわゆる単一歴史のシングルユニバースで考えるのは不可能な状態ですが
実は先生がはっきり、キン肉マンのラーメンマンと闘将!拉麺男の
ラーメンマンはパラレルワールドということをコミックで説明しております。


つまり、ゆでワールドにパラレル概念あり。


ま、スクラップ三太夫や、こち亀にもキン肉マンキャラ出てるわけで
キン肉マンレディーだってあるし、ジェロニモなんか劇中ですら
パラレル登場で自分に驚くわけですから、全然なんでもあり。

ゆで理論というマッスルパラダイムが存在する限り、整合性など
マジメに考える方がどうかしてるわけです。
面白さと勢いの前には物理法則など屁のつっぱりにもならん。

となるとU世が現行の歴史の先にある物語なのかどうかを
検証する事は、実はほぼ無意味。そこはどうでもいいという結論に。


では

続編でなければ、U世とはなんだったのか?


U世の解釈を先に進めるのであればU世の存在の意味、
U世の本質に関しては

「いつの物語か?」ではなく

「なんの物語か?」を探るのが正しいんじゃないかと考えます。


内容としてのU世は、続編としてスグル時系列ありきでのアレンジを
どう入れるかの工夫に始まり、非常に手探りで実験的な部分が多く見られます。
過去からキャラやイベントを継承したり、青年誌ゆえの
独特のアプローチや、時代に則した工夫も様々見受けられます。


その中で特に印象深いのが、「黒」の投入です。
nWoによるヒールムーブメントを、dMpとして取り入れ
同時代性を演出していたわけですが、その代表こそがケビンマスク。
主役の万太郎ではなく、彼にそれを背負わせた。
エリート家系を飛び出し、黒コートに黒Tシャツで善と悪のはざまを
さまよう謎多き存在。謎すなわち可能性です。
旧世代を超えられるかもしれない可能性の象徴。それが黒。

そもそもが悪行超人の「侵略」に対して正義超人が備えるという図式もあり
悪があるが故の戦いの中、ケビンは異質な存在として特別な
アプローチがとられてます。それが、悪ではなく、黒なんですね。
登場から立ち位置までまったく異質の導入をとられてます。

悪にも通じつつ、しかし己の矜持を守って戦うキャラクターという
意味では、実はアタルに近い位置づけと考えられます。


そしてなんとケビンは主人公に勝つ。

常勝不敗であるべきキン肉王族の主人公を破りロビン一族、
すなわち、ロビンダイナスティとして雪辱を果たすという
まさかの快挙を果たすわけです。

ここに込められた意味は、いかなるものか。

おそらく、万太郎への成長の願いが最も大きなものであり
師匠ではなく友の力によって敗北を味わわせるというのが
大きかったんじゃないでしょうか。
タテではなくヨコ。横糸の太さ、強さを新世代を込め、
新世代として旧世代以上に育ってほしいという願いの要、
切磋琢磨の最強ライバルとしての役どころ、象徴がケビンだったわけです。
そして何より、先生ご自身も旧世代からの呪縛ともいえる影響を
なんとしても打ち破りたかったんだと思います。

正直、2世代にわたるキャラの多くが未消化のままという印象は否めません。
先生も凄く迷ってやってるんだな、と紙面から伝わってきます。
こうでなくちゃ!ではなく、これならどうだ?が伝わってくる。
しかし、今改めて読み直すと、U世の物語や試行錯誤には
実に多くの挑戦が見てとれるんですね。
自ら生み出してしまった巨大な壁に対して、あらゆるパンチを打ってみる。
打破し、前に進もうと足掻く。成長そのものを俺らは見てたんだと思います。

新章に入って、マンガ作品として驚くべき成長を遂げたと
感じるキン肉マンですが、それは間違いなくこのU世での
試行錯誤があったからこそ。

ただの続編懐古マンガではなく、現行で戦い続けて
普通に面白いマンガとして驚異の現役ぶりを発揮できているのは
U世での様々な、それもなりふり構わぬ果敢な試みありき、と
思うファンは少なくないでしょう。実際、冷静に見て俺もそう思います。
新章の凄さは、U世での試行錯誤ありきだぜ、と。

多くのドラマの処理、試合運び、キメ台詞や、伏線の回収など、
U世の物語の中に多くの萌芽を確認することができます。

そんな、のちに花開く可能性の芽の中でも、おそらく先生がもっとも
気にしていた育てていた芽のひとつが、ケビン、すなわち
ロビンダイナスティだったんじゃないでしょうか。

万太郎もキッドもそこまで明確にドラマを背負わされてなかったのに
まさかの、父親ロビンマスクの青春譚。第1部終了後の特別短編
「倫敦の若大将!」まで描かれるという事実。しかも結構なシリーズ。


やはりケビンの存在、そしてロビンダイナスティこそ
U世を理解する上でのキーであると踏んだわけです。
U世の価値の象徴が、ケビンなんじゃないかな、と。

まあ文章にするとこんなに長くはなりますが、んむーと考えて
何十分かでこういう確信に至りました。

人気があるからそのキャラ商品化で、というのはもはや俺にはできない相談で
そこそこ考えて納得しないと、正しいベクトルで愛情を注げない。
愛情の注げてない仕事上の図式に従って作業すると、必ずそれが
造型に出る。だから俺の中だけの問題だとしても、きちんとした
納得と確信があってから挑みたいと思っているわけです。

納期に急かされる別仕事と違い、今、CCPでのキン肉マン仕事は
それが許される状態なので、俺としては出来るだけ、ファンが納得
喜んでもらえる、ディープでスタイリッシュな切り口を探る、と。

U世をやるならとことん考えた果てにやろう。
そんな感じでケビンマスクを作りました。

ケビン単体でももちろんですが、出来ればロビンと背中合わせで
並べてもらえると絵になるはずです。お互いが影になる、みたいな。
この親子もまた、パラレルであろうとなかろうと、キン肉マンの歴史
そのものであり、欠かせぬパーツであるわけです。

というわけで、U世のキーマンとしての存在。
そしてフィギュアとして興味を持ってもらうアプローチ。
先行する商品群とは違う価値観の提示、という意味で
CCPというか、俺が出した結論がこのケビンマスク。

静かに一人、黒を背負って立ち、どこか父を感じさせつつ
新世代そのものである存在感。

「静」の魅力を出すことが、CMCロビンマスクとも並べつつ
新たにケビンマスクを中心に切り取るU世世界を構築する
条件になると考えたわけです。新世代は静かに立たせたいかな、と。

だから、次は万太郎じゃなくスカーや、ロビングランデを
並べたいなーと考えてるくらい。まだ未定ですが。

もちろん「万太郎からだろ!」という意見もわかりますし
スグルでは出せない万太郎の魅力もまたあると思います。

しかし、今回は未知数のU世世界に切り込むにあたり
そうした考察ありきで挑んだということであります。

で、いつか誰か、俺以外の人がコートVerを作っても成立するよう
それも含めたポージングではあるので、いずれCCPでも
コートバージョンのケビンが欲しいとこですね。
なに?なんで俺がコートを作らない?面倒だからだ。布、嫌い。

実は現段階での原型は、延藤社長すら初めて見たくらいの完成その1で
まだ相談前の生産用微調整余地ありきのものでもあります。
たとえば成型上の俺の読みが間違ってたりした場合
少しここを太く、細くという変化が多少あるかもしれません。
ま、そんなに変わることはないかもしれませんが、より良い商品に
なるために多少直しはあるかもしれないと、予測しておきます。

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というわけで、おそらく次のビッグウェーブは4月のトイフェス。
これに合わせてまたしても腕も足も多い新規原型にとりかかってるわけですが
これぞまさしくキン肉マンキャラという感じで、もうなにやっても
どこかが引っかかる。実に手強い。でも頑張ります。
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2018年03月12日

3月第3週 7ド8ブ週報

ケビンの話を書いてあったんですが、まだ公開が先なので
それも先送り。

風邪ひいて滅茶苦茶なので、全然関係ない話。

自分は中学の時、スリラーや狼男アメリカンを見て
特殊メイクがやりたいと思って始めました。

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その時に思いついた特殊メイキャップアーチスト最高の状態
究極的な到達点がアカデミー賞のメイク賞受賞。

当時日本において先駆者はわずか。みんながみんな手探り状態。

アメリカ行くぞ!と思ったものの、やり方はなし。
雑誌を読んで勉強し、自分で材料集めて作って、その写真を
プロに見てもらう。お金を貯めてアメリカ行きの資金を作る。

実際に東京に出て、映画の造型の仕事についたものの当時の周囲は
みんなそんな人達ばっかりで、なんとしてもその仕事に就きたいから
いろいろ作ってプロのハシクレになったという感じでした。

そんな中でも俺が特殊メイクでやってくのはダメだなと
思い知ったのは前にも書いたと思いますが、ついにその時の
諦めるきっかけとなった人物がついにオスカーを受賞しまして。

賞そのものはまあいろいろあるでしょうからともかくとして
喜ばしいのは、ディックスミス、リックベイカーと並んで
同じくくりに認めてもらったという事。というか名実ともに
ディックスミスと肩を並べる立ち位置につけたこと。

雑誌でプロの住所を調べて、作品を送ったという人は
多いでしょうけど、当時最重鎮だったディックスミスに送ったと
聞いた時は驚いたもんです。
ちなみに俺が送ったのは帝都物語でクリーチャー作ってた若手集団・・・。

俺らがディックスミスと他人事で呼ぶけど、彼はディックさんと呼ぶ。

ディックスミス本人に会いに行った時、時差ボケでどうしても
眠くなっちゃって、気を抜くと目がクルっと白目になっちゃうのを
悟られまいと頑張ったとか、向こうではインスタントラーメンを
粗悪な食品と思ってなくて、ヘルシーだと勧められたんだけど
ただの袋麺。でもディックさんが勧めるラーメンだから・・・とか、
実に微笑ましい話を聞いた覚えがあります。

アメリカで会った時はリックベイカーの工房でしたから
これ以上はあり得ない幸福かつ最高レベルの特殊メイクの
仕事をしてたんだなーと思いましたが、それでも思うとこあって
辞めちゃうんだから難しいもんです。


師を得られる人は非常に幸福です。
俺には師が出来なかったなあと思いますが、それはやっぱり
運や縁がなかったというより、俺自身が一芸に秀でた師が認めるような
人物足りえなかったと今では思ってます。謙虚さや向学心が足りなかった。

極めれば道とは言いますが、こんだけ好きになったってのは
やっぱり凄い事だと思います。

執着とは別に単純に、誰がなんと言おうと好き、という部分
まっすぐ物事を好きになることが、人生を切り開く。気がする。

好きすぎて若干異常に見えたとしても、やっぱそれはまっすぐ。

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こんな愛情の伝え方あんのか、と思ったけど、ある。見事。
ただ、メールでこの写真が送られてきた時、何こしらえてんだと爆笑して後ろに倒れた。
アカデミー賞受賞!というニュースで犯罪者みたいに卒業アルバムから写真を
引っ張ってこられたのは見た時も、笑い過ぎて後ろに倒れた。

男はまっすぐであれ。

そんで早く風邪、なおれ。
あと仕事、終われ。
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2018年03月05日

3月第2週 オムズカリ週報

焼いたりソフト買って保存はしてあるけどいつでも見たいがために
HDレコーダーに残したままの映像ってのが、皆さまにもございましょう。

絶対CDが見つからない座頭市のED曲のローナーにはじまり
ソフト化されてない清志郎関連のライブやドキュメンタリー、
デビッドボウイの初期のPVやウェポンオブチョイスのPV。
ゴッドタンの原ちゃんのヘビの回。
腐ったアニメを見させられるたびに、目を洗う為の浄化映像
マジンガーZ対デビルマンや暗黒大将軍。
すべて何かあるたびに流す、俺にとっては非常に重要な映像群です。

そんな感じの映画でまるまる1本、保存してるのがこれ

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先週の納品前にも流し、まだ感動してホロリときますから本物です。
ブルーレイも持ってるけど、一番見るのはこの録画版。40回は見た。


去年ちょっとそのことについても書きましたが

最後に、持ち込んだ会社に断られたと書いてあるでしょ。
そのうちの一つの会社が、後年恥ずかしげもなく作ったのが

これ

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さすがにどうなってんの?とネットで調べると「Rip-off」という言葉が並びます。
リップオフとは、だまし取るとか剽窃の意味すね。今風の言葉だとパクり。

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オマージュとパクりの定義は曖昧です。
真似した側に罪の意識があるかどうか、なんて言われますが
実際には有名になったり、ヒットさえすればその情報で上書きされますから
やったもん勝ちというのが現状です。

こんだけ恥知らずにもパクったおデズ兄は
「死者の日」という言葉を自分らの物だと商標登録しようとして
メキシコ人に猛抗議にあって取り下げたというシュセンドーだったそうで
罪の意識や恥なんて概念はハナっからないのかもしれません。


作った側に「矜持」つまり意地や誇り、責任感があるかないかは
買う方には問題ない事っちゃ問題ない事です。
娯楽ですから、そんな大問題ではないという意見も理解できる。

しかし企業の姿勢として例えばそれを食品や料理に置き換えた場合、
どうでしょう。
誇りや責任感のない人が関わった食い物を、口に入れられるか。
子供に食わせられるのか?って話になります。

基本、会社や作り手の姿勢ってのはそういう事です、常に。

俺はそこを大事にしてますし、男としても断固守るべき生き方です。

ちなみにブックオブライフは2が企画されるそうです。

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愛の先にある話を描きたいんだとか。なんつーか、凄いぜ。




さあここから!

またしてもみんながなんとなく避けて通る場所を
ずけずけと容赦なく踏み込む男、サンダーゴングショー開幕。
俺の怒りがどこにつながるか、読んでいただこうじゃないですか。



もともと、ガンマンの製作にあたって一番意識したのは
保坂マンモスマンでした。まさしく成功例。

高額レジン商品でありながら異例のヒットを記録したのは
キャラ人気ではなく、間違いなく保坂造型のおかげでしょう。
これがイモ造型だったら目も当てられなかったでしょうが
ほとんど美術品かってレベルの立体物となったのは、保坂力ありきで
異存のある人はいないと思います。

その脅威の造型加減は今見てもまったく輝きを失うことのない本物で
ディティールや判断力の踏み込み方は、素晴らしいの一語に尽きます。

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実はこの保坂マンモスとの関係も含めて、ガンマン製作記は書きたかったんですが
とにかくお前の文章はナゲーから短くしろと言うダイナマイトの要請に従い、
泣く泣く全カット。保坂造形に触れることはなかったわけです。

しかしCCPのキン肉マン造形において、保坂造形が圧倒的金字塔であるのは
間違いなく周知の事実。俺にも稲坂君にも越えるべき壁として存在してる。

ネプチューンマンを2.0で出そうかという話があった時でも、
保坂造形に対して失礼だ、これは「到達点」まで行った造型だから
安易に2.0なんてやっちゃいけない。俺やんない、と3バカ会議でも
明言しましたし、ちゃんと理解もされました。もっともだ、と。

それほどに、保坂造型が持ち込んだ「方法論」は圧倒的。

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その方法論とは、ただキャラクターに詳細なディティールを加えるだけでなく
保坂カノンともいえる(カノンは人体比率)人体の理想像をきれいに落とし込み、
彫刻でいうところのコントラポスト(ちょっとヒネった重心表現)を
絶妙に成立させているもの。
平たく言うと、ただただ一番カッコよく見える形に辿り着いてる点だと思います。
キャラに造型を寄せるというよりは、造形の理想にキャラを引っ張ってくる。
キャラ像と理想像の美しき融合。これに尽きる。

俺がやったら絶対にこの美しさは出ない。
まずウン万年の荒々しさを追う方を選ぶでしょうからね。

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ちょっとまた話はズレますが、リアルフィギュア製作において、間違いなく
日本でNo1の原型師が林浩己氏と思ってます。
ご本人にも言いましたが、現在でも進化を続ける造形力はもちろんですが、
一番凄いのはフィギュアの「解像度を上げたこと」と思うわけです。
それまでとはまったく違う精度と表現をもって、スケールフィギュアを
製作したことにより、ブレイクスルーが起こったわけです。
あ、フィギュアってここまで出来るんだ!という衝撃を引き起こした。
スケール小さいから妥協するのが当然だった業界に、まったく
妥協しないとこんなに凄いのが出来るんだぞ!という「認識」を与えた。
追従する他の原型師達は、まずは安心してそこまで進めばいい。
指標であり目標が出来る。

これを最初にやる人は凄いんです。パイオニアってのは。

誰もいない、頂上も見えない山に一人の判断で登りはじめ、登り切る。

実に勇敢であり、雄々しい。サイズ、業種関係なくパイオニアは
評価されるべきです。

俺には保坂マンモスがそう見えてます。
もちろんいろいろな制限があったのか、そうでもねえな、ちょっとこれは俺に
作り直させてくださいよ、という原型もあります。フェニックスとか。
でもそれは俺の造型にもあるんで、ダイナマイトの試行錯誤に付き合わされた
悲劇はいつか酒でも飲みながら話してみたいと思ってますが
マンモスマンとネプチューンマンは、そういう次元を超えたところにある。

それまでおそらく頂点だったうらべかつみ氏のキン肉マン造形を
別の角度で超えきった保坂マンモス。

そもそもが、キン肉マンをリアルに表現しようとして真っ向から
筋肉重視で落とし込もうとしたダイナマイト延藤の判断があってこそ。
実はここも評価すべきパイオニアではあるんですが、それはいずれ。

とにかく、ダイナマイト筋肉表現LOVEの状態に、
保坂カノンが極めて高度な形で重なって出来上がった作品は、
数年経ってもまったく色あせてない。作り切れてる。


ガンマンはレジンでマンモスマンと比べられることがわかってたので
俺はまず、マンモスの足の毛表現が上手くまとまってたのを
思いだし、それを見ないようにして、しかし保坂造形のレベルを
背中に感じつつ、CCPの進化に責任を感じつつ作ってたわけです。

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2018年02月26日

2月最終週 ブリバリ週報

基本的に、時事ネタは扱わないようにしているこの腐れ週報。
でも今週は考えてることと流行のネタが被ってたのでそれを。


プロ野球とかオリンピックとか、バカみたいな映像作品でないものが
モニターから流れてるとスゲー損してる気になる性分なので、

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TVでスポーツ観戦することはほぼありません。
もう格闘技も全然見なくなったし。

なのでオリンピック期間は非常に憂鬱で、何年後かの東京オリンピックも
いまから鬱陶しくてしょうがない。中止で全然いい。

でもスポーツで頑張る人が嫌いなわけではなく、
マジメに道を追うアスリートはちゃんと尊敬してます。

なので解説や周辺含めてガチャガチャした鬱陶しさと、選手に自己を
投影するファン層の理解できなさの前に、Chを合わすことはなかった
わけですが、意外に見たのが女子カーリング。

ルールも知らなきゃ、興味もない。なんとなく可愛らしい子の顔の
アップばかり映す下種なカメラワークと、透けるいろんな思惑。
オリンピック周辺は醜すぎて反吐が出るぜと思ってたんですが、
なんかひっかかる。違和感がある。



まず思いだしたのがフランクロイドライトが設計した
池袋は自由学園明日館の玄関部分。

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加工が容易な大谷石(軽石凝灰岩の一種)を使用してたんですが
校舎を愛する女生徒たちが毎日一生懸命ゴシゴシ掃除するんだそうです。
ある意味容赦なく。
しかし、そんなにコスっちゃ軽石は削れてしまう。
のでコスるのを禁止したそうで。そんな彼女らがこちら。

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たしかにやめろっつーのにゴシゴシやってる感あるカーリング。でもそれが
違和感の原因ではない。競技だし。もっと別の人的要因にある気がする。
なんだろな、と思って見てたらすぐ判明。

キーキーした大会ではあるまじきエヘヘ感がその正体でした。
選手が楽しそうにやってる。

大柄な発育した外国、特に東欧選手と比べて寸が短く
ほぼコドモ。
おっかない大人に混じってコロっとしたのがケラケラ笑って
玉転がしてるというコントラスト。


なるほど、これはまさしくこの世界。

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(またか!とお思いでしょうが現在はマイ読書は日本の面影Uに突入)

イギリス人である小泉八雲が驚いた日本の娘たちの
妖精のような可愛さは、仕草や着物だけでなく笑顔にあったそうで。
男女問わず小さくニコニコ笑う、礼儀正しい不思議な人々。

しかもこの笑顔というのは彼ら外人にとってかなり謎だったそうで。
媚びるでも、言い訳するのでもなく、普通に沸いてでる笑顔の意味が
理解しがたいものだったそうで。考察しちゃうほど。

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問題は、メダルだなんだと結果的に本当に公平かどうかわかんない
どうとでもなる「賞」という後付けの名誉に対して、人々は
とてもヒステリックでしかない、という現実です。

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試合内容を見るよりも勝ち負けやメダルの色でしか騒がない。
言ってみれば造型の出来より、製品化の技術より
「この商品どんだけ売れてんの?じゃあ買うか」という層と同じく
「メダルないの?じゃあダメじゃん」というパッケージ重視の
脳タリンがメイン客という過酷な現実。

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尊敬するスポーツライター佐瀬稔は言ってましたが
勝ち負けだけ見たいならジャンケンでも見ておけ、と。
その選手がどんな思いでその拳を放ったのか理解できなければ
拳闘を見る意味がない、的な。


仕事で忙しい、締め切りが間近い、責任を問われるなど
ヒステリックに追い込まれる状況というのは社会人であれば
みんなが経験する事です。
人は平気で他人を追い込むし、追い込まれやすい人も多い。
だから人生にはそういうキーキーした状況が必ずついてまわる。


それにどう対処するか、は大きな問題です。

以前、創作のすべてがいやになって渋谷のロイヤルホストの厨房で
夜中にバイトしてた時、異常な繁忙時間がありました。

もう壁一面にオーダーシートが並ぶ。なのに外には新たな客が
並んでいるのが見える。
まさに絶望。登場人物全員が100%目が吊り上る状況。

やってもやっても終わらず、徐々に遅延は広がってきて12分提供なんて
夢のまた夢。フロントは怒りだし、準備した食材は底をついて
オーダーごとにフル対応しなきゃいけない。絶対にもう巻き返せない。

そんな時、社員の一人が笑いながら「間に合わない!楽しくなってきた!」と
忙しい状況を喜んだわけです。
当然バイトの俺よか責任の重い社員の方が、現状での遅延提供に
プレッシャーを感じてるはずなのに、まさかの楽しい発言。
あげくに「このステーキよく出来た、食えるお客さんは幸せだー!」
と、まさかの楽しさトップギア。ウソでしょ?この状況で?

目からウロコの瞬間でした。とたんに現場がラクになり、楽しくなる。
自分が気持ちを変えるだけで、こうも世界は変わるのか、と。

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オリンピックに出るくらいの競技人生を過ごしている競技者が
キーキーの洗礼の中、悔しく辛い思いをしてないわけがない。
現に他の国の選手は、余裕もギリギリでちょっと怖いくらい。

そんな中、鎧うでもなく、強がるでもなく、それが効率的かつ
自分たちをベストパフォーマンスに至らせる最良の方法として、
ああいう雰囲気作りを努力して意図してコントロールして作り上げたのは明白。

そしてそうやって身に着けたものは、きちんと身になるんですね。
バカのふりしてる奴は結果バカになるし、きちんとしようと
努力している人は結果きちんとした人になる。ポーズではなくなる。
結果、楽しそうに振る舞うことが、楽しさそのものにも変わる。

笑顔。

ヘラヘラ右ならえで他人に迎合するんじゃなく、狭いご近所で
気持ちよく共存するために感じの良い人であろうという努力こそ
他者を思いやった結果、日本の庶民が生み出した処世術であり
到達した社会性の美徳、と俺は思ってます。


「歌声が止み、踊りの輪が崩れ、うれしそうな笑い声や、おしゃべりの声が聞こえて
くるようになった。花の名前と同じ少女たちの名前を、やさしく母音のひびきを
響かせながら呼ぶ声や、「さようなら」という別れの挨拶が飛び交っている。
踊り子たちも見物人も、下駄をコロコロと大きく打ち鳴らしながら家路につく。」


盆踊りを見た小泉八雲の感想。

小泉八雲もこんな気持ちで、日本の小娘達を見てたんだろうか。


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(おじさん地獄の中で浮かない八雲の図)


WF流れで突っ込んだ造型の話を書こうと思ってたんだけど
結局、カーリング見て思ったっつーどうでもいい話を書いてしまいました。

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2018年02月19日

2月第4週 WF週報

さて、本日WF無事終了。
ご予約、お買い上げの皆様、ありがとうございました。
CCP製品&プロビデンスともども、好評で一安心でした。

で、展示はこんな感じ。

と見せる前に、ダイナマイト延藤の魂のブログの今朝の話がこれ。


ど天然。

なら今回ばかりは触れねばなるまい、目の前のスパイスシード。

ダイナマイトがちょーすげーな!!!と言うスパイス展示。
いや、こうなるのはわかってたぜ。什器に力入れてるのは
トイフェスの時でも見た。アクリル台、発光、映像パネルと
そりゃもうずいぶんなもんです。

そしてダイナマイトが、ウチはマッタイラですもんね、
と爆笑しながら手を真横にスビーっと振るのもわかってた。

「 また布だ 机に直置き シーシーピー 」

ってのが毎回すぎて季語を入れづらいのもわかってた。

だからガンマンだけは俺が(ヒストリアの時もそうだったけど)
俺がやるから、場所だけ空けといてくれ、と言っておいたわけで
原型師が原型をつくる手を止めて、シコシコと板を買い出し
文字を切り抜いて作った涙の夏休み工作展示台が


こちら


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おかげさまで評判はよかったようですぜ。
ってタリメーだコノヤロウ。
俺だぜ。ガンマンをどう魅せるか、わかってる。


というわけで、毎度のドタバタのイベント展示でしたが
今回は冒頭で書いたスパイスシードで原型を担当している
九州の雄、圭ちゃん(近しい人はそう呼ぶ)こと岩倉圭二氏と
ちょっと話をするのを楽しみにしておりまして。

そもそもCCPとスパイスシード云々はともかく、もともと
造形王で岩倉さんとは知り合ったので、かれこれ3年くらいですが
ゴリゴリのスカルピー使いです。

言っていいのかわかんないんですが、最近別件での凄い仕事が
岩倉造形で、サイズも含めてその苦労とレベルを同じスカルピャーとして
非常によく理解できたので、大きいの作る時、どうしてます?話を
したかったわけです。

で、ガンマン見ながら岩倉さんとスカルピーを何度で焼く、どう工夫して
なんて話をしてたら、そこにドラゴンボールで有名な中澤さん登場。
中澤さんこそ、俺にスカルピーを教えてくれたマスタースカルピャーなので
どうしてます?何度?なんて話になったんですが、

なんと3人の温度差150度! 同じ素材を焼いてるのに!

100度あり、170度あり、250度あり。

時間も20秒から3時間までもう全っ然違う。

いやもうここをこうしますぜ、こうならこう、と久しぶりに楽しい
スカルピートーク。全員、完全に結果出せてる上での技術話なので
楽しいったらない。デジタルなんかどこ吹く風で、実に頼もしい
やる気溢れる話でした。

そんで、そのまま岩倉さんと向かいにあるスパイスシードのブースで
展示されてる原型見ながら造型話。
途中鈴木社長も交えて、けっこう突っ込んだ話を。

基本的に、戦略的にCCPの企画の中で他社を意識して
ラインナップを判断することはありません。ダイナマイトの暴走を
制御するのにそれどころじゃなく、そもそも俺からして
ヨソの仕事なんか知らねーす、テメーの事をちゃんとやりましょう、と
そういう話をうるさがる方なので、名前が出ても俺が話題を変えちゃう。

今回のガンマンも、以前説明した経緯やバッファ2,0と並べられるという
コンセプトありきで、サイズも仕掛けも全然違うわけです。

ただ同じキン肉マンのキャラクターから拾う限り、シリーズが
かぶることもあるし、キャラかぶりもある。

素材も日本である限り、レジンかPVC(ソフビ)しかないわけで
必然的にかぶってくるのは仕方がない。

商品形態はサイズ違いも含め、まあ住み分けできてると思います。
レジン中心のスパイスシードはソフビもちょっと出すし
ソフビ中心のCCPもレジンをちょっと出す。いいんじゃねーすか。

問題は

俺が気になる問題はただ一つ。

原型師の腕、だ。

今回のスパイスシードの布陣は、松浦さん、岩倉さん、高松君と
造型天下一、造形王の常連で、さらに書いていいのかわかんないけど
もう一人トップクラスの凄腕原型師が参戦している。

対するCCPは、コラー!とダイナマイトを追いかけまわす
怒りのミニ原型師サンダーと、パープリンクラゲ稲坂。

これでは・・・マジで勝てません。力量でも物理的にみても







俺が言うわけねーだろ。


全員まとめてかかってこいだぜ。しかも気合入れて、だ。

こんな手応えある敵はなかなかねーですから嬉しくなっております。

一人ずつ受けて立つ。

まずはケビン。そしてサイコマンをサンダー造型で。

ガンマンは後程岩倉さんがやるかもしれず、気合入れてくるはず。

お互い、切磋琢磨してより凄いキン肉マン造形が出る環境に
なってきているのであれば、俺は非常にうれしいです。

マジで造型超人オリンピックも夢じゃないかもしれない。

つーか、いまんとこみんなフィギュアコロシアムの参加者ばっかで
それなりの腕自慢ばっかりなので、何作ってもイイものが出来るはず。


ダイナマイトと話すのはやっぱり、キン肉マンを連載を
きっちり盛り上げたいですね、という事です。せっかく大事な
キャラクターを預かって作らせてもらってるのであれば、
コミックに、連載に、ファンに、なによりも先生に喜んでもらえるような
カッコいいフィギュアいっぱい出て、売れて、キン肉マンすげーね!!って
なってもらえれば理想です。
新しいファンが増えて、昔の良さや、今の面白さを知ってくれれば
そんないい事はないわけです。

その為にも、ドラゴンボールやワンピースのフィギュアが進化したように
キン肉マンも、原型師からの切磋琢磨で進化するなら最高です。

その為にはスパイスシードとCCPはバチバチやりあわねばならない。

造形力、塗装力、企画力、商品力含め、容赦なく選んでもらうのが
弱肉強食自然淘汰、まさに力のぶつかり合い。いやもう、楽しい。
やっぱ、そうでなくちゃ。

腕利き原型師をそろえて、いつになく自信に溢れてたスパイスシード
鈴木社長。そりゃそうだろうぜ。BFC優勝者揃いで最強チーム。
潤沢な資金力、そしてこの行動力。たいしたもんだと思います。


だが、対するダイナマイトは俺も制御出来ない爆発ファイター。
誠実極まりないパープリンクラゲと、作ってもないのに勝った!という
脳内花畑原型師サンダーの布陣は、マジで手強いと知れ。

いやー、敵が強くなってくるとドラマってのは盛り上がるんすよね。

まずは次に4月29の日のトイフェスで、それぞれの生き様を
見てやって欲しいす。キン肉マン造形は盛り上がりますぜ。



と、言ってる俺が今日のWFで朝イチで走っていってまで
買ったのは



これだ


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蓄光マンドラゴラきんどーさん。

電気消すのが楽しみだ。
posted by サンダーロードスタイル at 00:37| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月12日

2月第3週 リザべぬ週報

もう来週はWF。もう今年2か月たっちゃうのかよ。
まだ1体しか作ってないのに。

基本的に俺は「フィギュア王&CCPブース」1−03にいると思いますが
以前告知しました、プロビデンス、少量持っていきます。

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並べて売るわけじゃないんで、ご希望の方はクソ面倒ですが
俺に直接言ってください。
型が壊れたんで、これでたぶん最終です。3000円。

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さて、だ。



えー、ガンマン予約始まりました。

こちら。

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最初に書いておきますが、
15日までの申し込みの場合、税抜き価格17000円だそうで
代引き22000円設定からすると、5000円の割引だそうなんですが


ここには少し理由があるわけです。



というわけで予約、始まったのはいいんすが・・・
まーなんつーか、マジで説教すよね。

こんな予約開始の仕方があるかっつー。

ヤベーのは造型じゃなくてそれやっちゃう感覚だっつー。

実はこないだの打ち合わせで、同席してたパープリンクラゲ稲坂
じゃなかったビッグバン稲坂も思わず顔が強張るくらいの鬼説教を
したばっかですが、もう一撃食らわせるのは確実です。まったく。



まあこっからは一連の経緯説明なので、CCPに興味のない方は
スルーで。

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そもそもが、ここしばらくの予約ラッシュがお客さんに負担すぎないか、
という話が元々進んでました。
原型的には月イチで新作出来ちゃうわけです。
でも、1万から場合によっては3万になる商品をそう気軽にポコポコ
出されちゃ、ファンの財布がもたないのは明らかです。

しかもCCP名物、モノが遅い。入金してもモノに触れるのはずっと先。
それでもまだ少し最近は発送ペースも、改善はされてきたらしいすが
もともとからして大マイナスなのが小マイナスになったくらいで
マイナスなのには変わりなく、金払って待ってるファンからすれば、
ふざけんなっつー話です。

手紙を待ってる人に、書く時間がないなんて言わないで、とは
女の中の男、史上もっともカッコいい女優の一人
マレーネディートリッヒの言葉でありますが、そういう事。

ウチでよく言う「カッコいいスケジュール」的に、毎月商品を
発送してファンを喜ばせたい、と豪語しているダイナマイトですが
ウチでよく怒られる「それカッコいいスケジュールってだけだろ!」
なわけで現実は、いろんなトラブルがあってスケジュール通りには
進まない可能性も多く、なかなか難しい。
我が家ではカッコいいスケジュール宣言はすでに禁止となっており、
2週間もありゃ完成させるぜ、とかの俺のタワゴトに信頼感はございません。

それでもダイナマイトだから、CCPだから、と許容してくれる寛容な
ファンもいます。でもそれに甘えてはいけないわけです。絶対。


で、予約ラッシュを回避しても会社としては商品を販売しないわけには
いかないので、じゃあ別アイテムや特撮などで、という話にもなるわけですが
妙なキャラをやるくらいなら、キン肉マンの中ではある種の線引きして
考えられてる、新シリーズや2世をやるべきなんじゃないのか、というのは
かなり前から検討されてました。

そもそもはタッグ編コンプや王位編コンプを追うべきですが、新規ユーザーの
獲得もしなきゃいけない。どこかで新たなファンの入口を作るために
なんか手を打つ必要がある。
2.0だったりヒストリアだったり定番商品の安定した供給だったり。


そうこうしているうちにレジン製作チームが出来たからまずレジン用に
原型を製作して、それを1軸として新規シリーズを作業すれば、
のちにソフビ用に原型を回してストックにもなるという話に。
レジン発売の間にソフビ版も仕様を検討し、ゆっくり告知できるし
発売ペースもコントロールできる。
というような背景があったうえで、始祖編挑戦に相成ったわけです。



が!



んがー!

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結果、この調子ですよ。
興奮したら一直線。もう他の事なん全部忘れる。

しかも監修前に、販売ページを用意しておいて、監修OKと同時に
GOサイン出したらしいすが、トップページでの告知でもなんでもなく
販売ページだけアップしたところで、わかるわきゃーない。
お知らせがあって、買う気になって見に行くわけですから。
というほぼ急いだ意味がないGOサインで、ヒッソリ予約開始。

キン肉バスターに続き、またしてもこれか!
じっくり告知打つって言ったじゃん!

製作記を早めに欲しいっつーから急いで書いたのに、
製作記よりも早くコッソリ予約開始の無意味感。
じゃあ、地獄週報でアップしてもよかったじゃんか!

しかし本人は全然悪気なく「一刻も早く」と考えてたわけです。

気持ちはわからんでもないけど、それは違うでしょ、と。

いつもウチではこういう状態を「ティンク」と呼んでおります。
それはティンカーベルが、感情を一つしか持てない事の意味で
彼女は小さいから、怒る時は怒るだけ、楽しい時は楽しいだけで
一つの感情でいっぱいいっぱいになってしまう。

まー可愛いわねティンク
って、元ファイターのオッサンがそれじゃ困る。ヤベーのはそこだ。

さらに、ソフビ用も一緒に注文とり始めると言う。

いやいやいや
まだ腕出来てないですよ?というか後からだって話だったでしょ?
ってのに、レジンしか出さないで、後出しでソフビ出したらまた
文句言われちゃうから、だったら最初からと同時にします、と。
(たぶん、オメガマンで怒られたばっかなのでもう怒られたくない)

いや、それもわからんでもないけど、そこはちゃんと告知すれば
回避できる事なんでは?まず告知と説明でしょ!

でも、それがちゃんと出来ないのがダイナマイト延藤なんですねー。
野生の勘が優先で、物事をそんな深く考えない。
イベントで盛り上げて丁寧に、とかそういうのをまったく考えない。
まず出しちゃおう!全部交換しちゃおう!とか、ドンブリ勘定にも
ほどがある豪快さで攻めてくることがある。

悪魔のように細心に、天使のように大胆に、という言葉がありますが
天使のように大胆にフルチンでリングに飛び込む男、ダイナマイト。

感覚的な部分が、経営や企画を支えるのはよく理解できます。
実際、期待しているのはこのアテ感のような感覚的な部分で
バスターを作らせたのもガンマン選択もダイナマイト判断で
俺も実力を発揮できるのばっかで非常にありがたいんですが


商売でオモチャ売ってる人は、ここで我に返って欲しい。


ユーザー目線としたらどうだ。
ちゃんと告知しろ、検討させろ、期待させろ!って話です。

準備が整って、きちんと判断出来て、気分が乗ってこそ
オモチャは買って面白い。

買うワクワク感を味わってこそ、オモチャの購入です。
ある意味、予約で買うオモチャって「買う気持ちごと商品」って言ってもいい。
注文したら完全にスッキリして、届いたらどうでもいいなんてのも
あるわけです。なんつっても気持ちよく買いたいんだっつーの。

他人が大事にしているブリスターを強引に開けて中のオモチャで
遊び倒すことを信条としているオモチャ解放戦線、
ブリスターパックファッカーズの俺を、いや
オモチャ購入の気持ちをなめんなよ。

ネジケンが今回、きちんと結果につながったのは
実に献身的かつ涙ぐましいサンダーフォローも輝いてましたが
誠心誠意、告知や情報開示を惜しまなかった実直稲坂への
期待や評価、共感できたがゆえの購買決定が事実でしょう。

俺だったら絶対、ユーザーと相談して製品化検討なんかしない。
ツベコベうるっせーな敵かテメーは!黙ってみとけコノヤロウ。くらいのもん。

しかし彼は参加型(これぞキン肉マン世界の理想でもありますが)で
きちんと門戸を開いて耳を傾けて検討し、最大公約数を探る。
こういうマジメさが稲坂オペレーションの魅力でもあり、そうした
姿勢込みで誠実なスタジオ24への期待度の高さが、購入しよう、
賭けてみようという結果につながったんだと思います。

気持ちよく注文できる。これが重要です。


破天荒な感覚ファイター、ダイナマイト延藤の良さもまたあります。
着眼点や発想は、実に多彩。はずれも多いが当ててる結果は言わずもがな。
経験ゼロから一人でCCPやって、キン肉マンフィギュアで
100体以上出してんだから、文句なしです。
予想を超えた発想で生み出したフィギュアは、まさかの
キン肉マン本編にも影響を与えるくらいのインパクトがあった。
これはたぶん稲坂路線では絶対にたどり着けない方向です。
しかし延藤路線だと信頼や期待を抱きづらいのも事実。
両方混在して、実に頼もしくなってきたじゃん、って俺なんか
のんきに考えてるわけですが

告知や情報開示をちゃんとしろってのは別問題。
これは手順踏んで、ちゃんとやらなきゃいけない事。

少しでも安いなら、確実に売買契約が結べるならという事で
盛り上がりをおろそかにするのは、間違ってると思うわけです。

良かれと思ってやったオメガマンのサービスがまさかの悪い方向に転がり
余計なトラブルを呼ぶ仕様の可能性があるなら、オペーレーションナシの
価格割引の方が安全なんじゃないか、という事は、俺からも言った事なんで
守りに入ったのも事実です。トラブルが連続するのは良くない。

でも今回の告知は急いでたにしても、性急すぎて予約開始当日、
打ち合わせで会った時「もう予約開始したんすか?」と俺が驚くくらい。



おおむね、すでにダイナマイト本人には上記の事は伝えてあります。
ちゃんと話は聞いてくれるし、改善の方向にも行ってるんですが
俺らの知らない真後ろに巨大な穴を掘ってるのがダイナマイトなので
そういうのを踏まえた上で、CCPにご理解のある方は
まだ腕が出来てないけどガンマンの予約をどうぞ。
見切り発車でも信じてもらえるのであれば、実際かーなーりー安いす。
それが前述した、17000円、実に5000円引きという価格。
ずっと安いわけじゃないんで、15日までという条件付きらしいすが。


で、腕が出来るまでアテになるか!という方はもうちょっと慎重にどうぞ。

本来俺の担当は説明係ではなく、バッキバキにカッコいい原型を
作ることなので出来てないけど腕は任せとけ、と言っておきます。

ほんと、どうよ!という原型出来ても、想像しえぬ方向から
コジらせてくるのがダイナマイトなんで、以前も書きましたが
それを楽しめる人だけ、お付き合いください。
マトモにいろいろ求めると、ストレスたまるだけです。

もちろん改善には努めてますが、いまんとこ枯れ井戸に石を投げこんでるより
ちょっとマシな感じくらいなんで、長い目で見てやってください。っつー話。

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モノは文句ナシだと思うんだけどなあ。毎度しっくりいかねえんだよなあ。
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2018年02月05日

2月第2週 G75のテーマ週報

えーまず、やっとこ発表されました、完璧・漆式ガンマン原型。

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俺の年末年始の結果がこれだ。
たぶん、WFでは色付きで飾れてるんじゃないかと思います。


WFで思いだしましたが、以前発売した「プロビデンス」。

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仕事のついでに数個複製が出来たので、全身のみですが販売します。

欲しい人はお手数ですけども、
おそらくフィギュア王×CCPブースに常駐していると思うので
俺を見つけて直接声をかけてください。

あとは挨拶まわりの時も持ち歩くようにしますんで見かけたら
聞いてもらえれば。アイボリーのレジンキットで、1個3000円。

どうしてもという人は事前に連絡しといてください。
メールとかツイッターかFBとかで。当日はネット遮断すからね。
ま、近くなったらまた告知します。


さて先週はおでかけウィーク。

出かけた先でゲットしたポストカードは

これだ。

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真ん中のペコちゃんは最新のヤツらしいすが、攻めてますね。
表情付けをここまでやるかっつー。

左は生頼展で一番良かったミッキースピレインの表紙。
絵のまとまりだけでなくまさしくスピレインの女、って感じ。

右は墓場の画廊スペクトルマン展での変身願います。
原画置いてありました。展示替えされたらまた行っちゃう気が。


めった外出しないと、何が楽しみかというと移動時間での読書。

自宅で読む本は大きく重い持ち歩けないものがメイン。
加えて、基本的に読みたい本よりは、読まねばならない本が優先であり
それが一段落して無条件で読みたい気軽な文庫本にたどり着ける時は
非常にうれしい。


ジュールヴェルヌの80日間世界一周に触発され、実際に旅した一人、
エリザベス・ビスランドが日本を訪れた際に残した文章はとても美しく
その素晴らしい表現は、俺の胸を打ったわけですが、実は日本を訪れる前の
ラフカディオハーンの胸も打ったそうで。

ハーンと言えば怪談が有名ですが、他にも有名な日本の見聞録である
「日本の面影」という本も残している。こういう本は、仕事や創作には
関係ないので、買ったままずいぶん後回しになってるんですが
ついに順番が来た。

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つーわけで読み始めたんですが、本によっては1頁読んだだけで
これは一生心に残るな、と思わされるものがあるわけです。

内容ではなく、筆致の段階で親和性があるというか、その言葉運びの
美しさや視点、気の合い具合がまずなによりご馳走という本が。

筆致と簡単に言ってもそこには作者の持つ観察眼、審美眼、美徳や
責任感が溢れており、内容はともかくとしてその文字列を生み出す
感性に触れるだけで幸福、という出会いがあるわけですが、
日本の面影はまさにそんな本。

たとえば人力車に乗って日本見物していたハーンは、その俥屋の事をこう記す。

「間違いなく彼は、忍耐、辛抱、そしてうまく客につけこむ力を備えた
典型的な車夫であろう。その証拠に、私はすでに彼に法が定めた
料金以上を支払わされてしまった。
忠告はされていたものの、余計な心づけを渡さずにはいられなかった。

かじ棒の間で速足で駆けていく、自分の前で疲れも見せずに何時間も
上下に揺れる馬代わりとなった人間を初めて目の当たりにすれば、
哀れみを寄せずにはいられなくなるだろう。
しかも人並みに希望や思い出もあり、情けも物もわかるこの俥屋が、
たまたま優しい笑顔を見せ、こちらの些細な好意にも限りない感謝を
大っぴらに見せてくれようものなら、哀れみは同情へと変わり、
思わず自分の事はさておきたくなるものだ。

おびただしい汗を流す姿も、それと無関係とはいえないだろう。
動機や筋肉のつれはもちろんのこと、悪寒、充血、胸膜炎も大丈夫かと
思わず気遣ってしまうからである。彼の衣装はびしょぬれである。
小さな空色の手ぬぎいで顔の汗を拭っている。彼は竹の小枝とそこに
とまった雀の絵が白く染め抜かれた手ぬぐいを手首に巻いて走ってゆく。」

俥屋一人だけでこの描きっぷり。もうご馳走としか言いようがない。

さらに言葉が通じないので面白くなってくるんだけど、その通じない事も
ハーンには鮮烈な体験なようで、様々な事柄が実に事細かく記され
そのすべてにいちいち感動。読んでるこっちも嬉しくなるほど。

目的地へ行きたいハーンは言う。旅館のオヤジに教わった魔法の呪文

「テラ へ ユケ!」

普段浅草とかで人力車鬱陶しいなコノヤロウと思ってる俺ですが、
これを知ったらとりあえず俺も人力車乗って、同じ呪文を唱えてみたい。
浅草寺は目の前だけども。


先日出版された谷口ジローの「いざなうもの」でもハーンを題材に
短編が描かれてますが、内容はこの日本の面影のもの。

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俺は、作品を見る時、やっぱりどうしても人を見ます。

技術や到達力に能力を全振りして、生理的に受け付けない人物の
作ったものでも、唸らざるを得ない作品ってのもないことはないすが
たいていは、作品イコール人格に見えます。
だから作り手の感性というのが非常に興味深い。

何を感じて、どう思ってどうしたかったのか。
何に笑い、何に怒りを感じ、何に涙したのか、何を信念として
取り組んだのかが、作品には出てると感じるからです。

貧しい感性の人の作品は、やっぱり貧しい。
どんだけ金かけても、どんだけ手間をかけても根本的につまらない
まったく心がざわめかない。

心を動かせないには、はっきりと理由がある。
貧困な発想。挑戦や開拓精神などの欠落による覇気のなさ。
安易な模倣とバレても小銭を稼ぎたいというさもしい根性や
思考を放棄したがゆえの一貫性のなさと底の浅さは、まー、すぐ露呈する。

産業的に成立すれば十分良い作品かもしれないけど、
それは商品であって、作品とは思えねーでしょ。
誰が作っても同じじゃん。じゃあ、テメーいらねーじゃん。ってな。

商品は生活に必要だから手に入れるもの。
でも作品は生きるのに絶対必要なもんではない。だから自分にとって
決して無駄ではない深く強く意味があるものとして
手に入れたいのかもしれないしその心底を探りたいのかもしれないす。

ハーンの感性は、100年経ってなお俺を幸せにしてくれて
こういう作品を残したい、ではなくこういう人間でありたいなと
思わせてくれる。

日々、ニュースや世界に怒りやストレスを感じたりもしますが
やっぱり世界は広く、人間は素晴らしい。

怒りや悲しみの数倍、良いことを探して、喜んで感動して
忙しくってたまらんぜ、という男になりたいもんです。
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